平仮名ひとつ
小学生の場合は、どんなに小さな読み間違いでも、直してやることが大事です。
A(本文)その人は自分の意見を発表するだけではなく、友達の発表も熱心に…
(誤り)その人は自分の意見を発表するだけでなく、友達の発表も熱心に…
B(本文)なぜ、それが使われているのでしょう。
(誤り)なぜ、それが使われているのでしょうか。
C(本文)友達と紹介し合いましょう。
(誤り)友達と紹介し、合いましょう。
Aは、平仮名を一文字抜いて読んだ誤りです。
Bは、書いてはいない平仮名を、つけて読んでしまった誤りです。
Cは、「紹介し合う」というまとまりを、一見でつかめなかった誤りです。
ABC、どれも、読み間違ってしまっていても、伝わる内容に違いはありません。
ですから、もしこれが大人なら、うるさく直す必要もないでしょう。
しかし、日本語を覚えている途中の小学生にとって、この間違いを直されないということは、とても残念なことです。
例えば、Bの場合、この子は、疑問、質問の文には「〜か」がつくことを知っています。
でも、日本語では、「〜か」で終わらなくても、疑問、質問の言い方になります。
「〜か」がつかないことで、「〜か」がついた言い方とは、少しだけ違った気持ちを表すことも可能になります。
小学生の時期の今ここで直してやれば、この子は、「〜か」で終わらない疑問文を手に入れ、自分で使ったり、人が使うことのニュアンスを慮ったりする力を無意識に身につけます。
平仮名一つで微妙な表現の違いを表せることを学べば、国語、文学ばかりでなく、他の分野の学習でも力を伸ばせます。