国語の読解力 物語文
読者の方からのお便り****************
イメージ化することは重要ですね。
国語科の読解力について関心があります。
もしよろしければ、とりあげてほしいテーマです。
よろしくお願いします。
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とても難しいテーマですが、算数では読解力が必要だと言っておいて、国語での読解力を取り上げないのでは、まずいですね。
ただ、読解力の根本については、多くの国語教育の大家が語っているものが世に溢れているので、詳しく知りたい方は、そちらをお読みください。
簡単に浅く知りたい方は「よい子」を参考にしてください。
まず、物語文です。
以前は、わからない言葉を辞書で調べ、全体を幾つかの場面にわけて精読し、登場人物の心情をきめ細やかに追う、というような授業をしたこともありますが、時間の不足は、どうしようもないことで、今の現場では、そんなことをしている暇はありません。
そこで、高学年の国語の授業で物語文を扱う時は、何気ない言葉や、一見、登場人物の心情とは関係ない言葉と思えるものの裏側に隠れていることを見つける、という学習に絞っています。
低、中学年の子には、「この言葉を掘ったら、どんな宝物が出てくるかな」と問います。
6年生の国語の教科書(光村図書) に、 重松清さんの「カレーライス」という作品が掲載されています。
6年生の男の子が、大人扱いしてくれないお父さんに対するいらいらや、自分を叱ったお父さんに素直に謝りたいのにできない自分に対するいらいらが、お父さんと一緒にカレーライスを作ることで、(表面には出さないけれど)解消していくというストーリーです。
「僕たちの特製カレーは、ぴりっとからくて、でもほんのりあまかった」という一文で終わります。
「ぴりっとからくて、ほんのりあまかった」のは、カレーの味ですが、もちろん、これは、カレーが美味しかったという意味ではありません。
大人として認めてもらったうれしさや、完全に素直になれない自分への反省など、いろいろな気持ちを「味」で表しているのです。
「見上げた空は青かった」「いつもより風はやさしく吹きぬけて行った」など、物語には、他のものを借りて登場人物の心情を表している文が、それこそ、宝の山のように、あちこちに散らばっています。
それを丹念に読み取れれば、物語文の読解力があると判断してよいと思います。
もし、家で、本読みの宿題などをやっていて、同様の場面に出会ったら、「ぴりっとからくて、ほんのりあまかった」って、どういうこと?と訊いてみてください。
「この子は、なかなか素直になれなかったけど、やっとここで、お父さんとの関係が、ちょっとだけよくなったんだ」というようなことを説明してくれれば、読解力満点です。
もし、「このカレーは中辛だから、辛かったり甘かったり感じるんだよ」と言ったら、家族で読書会をすぐに開きましょう。
同じ本を親子で読んで、それについておしゃべりすることから、始めてください。