説明文を図で読む

 6年生の国語の教科書に載っていた「人類よ宇宙人になれ」(立花隆著)は、「川とノリオ」などの物語文に対して、説明文などと呼びます。

 著者の主張に対して自分の意見を持つ、というのが、学習の目標になります。

 本来は、物語文と同様に、文を充分に味わうことが最終的な目的ですが、授業時間も限られているため、今回は、文を図に表すという方法で、とにかく、まず、著者がどんな論理展開をして、どんな主張をしているかを読み取ることにしました。

 2ページほど毎に小見出しがついて短い章のようになっているので、そのまとまりごとに、文を図にしてみることにしました。

 最初の章から、文の構造がわかる図を描けた子もいるし、最初は、文をそのまま写し、いくつかの枠で囲む程度しかできない子もいました。

 しかし、章毎に毎時間、図を描くことを繰り返していくと、多くの子が、図を描くのも上手になり、なぜ著者が「宇宙人になれ」と言っているのかがわかるようになってきました。

 うまく図が描けたと自分で思えるようになった子は、楽しい、と言い出しました。

 物語文「川とノリオ」でも、同様に、展開を図にして、大きな流れをつかむことは大事でしょう。

 逆に、説明文「人類よ宇宙人になれ」でも、著者の言葉の使い方を読み込むことから、著者の心情を読み取ることも大事でしょう。

 このように、読書をとことん楽しむためには、本来は、本のジャンルを問わず様々な技能が大事です。

 しかし、読書に親しませる入り口では、「怪しい言葉を探して言葉を掘り下げる」とか「文を図で表し展開を俯瞰する」といった一点に絞った方法も、効果があると思います。

 大人は、子どもに教えようとすると、つい、何から何までやらせたくなります。

でも、やり過ぎは禁物です。

キャパシティを越えた情報は、すべてこぼれ落ちます。

 また、すべてを手取り足取り教えると、子どもは探求する心を失います。

 導く者は、最初の扉を開ける手伝いをすればいいのだと、最近、わかってきました。

 クリスマスプレゼントに、お父さん、お母さんの大好きな本を用意してみませんか。

「入り口」は、本当はこれだけでいいのかもしれません。


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