振り仮名は離れた場所に
勉強のさせ方がわかりません、とおっしゃるお父さん、お母さんには、まず「教科書を大きな声で読めるかを確かめてください」と言っています。
教科書は、国語のみならず、社会、算数、理科、どれでも有効です。
小学校の勉強では、教科書を正確に大きな声を出して読めたら、半分以上の学習はできた、と思っても間違いありません。
小学校の教科書は、身につけるべき勉強のエキスが詰まっています。
中でも、算数の教科書を読み込む効果は絶大です。
勉強ができるようになりたい、でも、どうしていいかわからない、という子には、とにかく、大きな声で正確に教科書を読むことから始めてください。
先日、このアドバイスをしたら、お母さんから、「うちの子は、漢字がよめなくて、よくつかえるので、振り仮名を教科書に振っていいですか」という質問を受けました。
振り仮名は、振ってかまいません。
漢字でつかえて、読むのが嫌になるよりも、たとえ振り仮名でも、しっかり読めて、読むのが楽しくなる方が、勉強が好きになるし力も伸びるからです。
しかし、振り仮名は、漢字の横に振ってはいけません。
国語の教科書なら、その行のいちばん下の欄外に、読み仮名を書いてください。
漢字の隣りに書くと、漢字を読まずに、振り仮名だけを読んでしまいます。
でも、離れた場所に振り仮名を書くと、必ず一度、漢字を経由して振り仮名を見るので、その時に「この漢字は何と読むのだろう」と思考します。
すぐに読めるようにならなくても、「この漢字、何だっけ」と考えることが、脳にプラスになります。
楽譜の「ドレミ」の振り仮名も同様です。
人は、「できること」を楽しいと感じます。
でも、全くの努力なしにできてしまうことでは、力もつかないし、飽きるのも早いでしょう。
大人がしてやることは、全く道のない山の斜面の木々を少し切ってやり頂上が見えるようにしてやることです。
でも、けして、そこにエスカレーターを設置してはいけません。