辞書で調べなさい、と言わない
国語で「からたちの花」を学習しました。
音読し、どんな情景なのかを語り合います。
まろいまろい金のたま、って、どんな実だろう、などと話が進んでいった時、A君が突然、「ねえ、からたちって何」と言いました。
「からたち」が想像できなかったのですから、A君は、友達が語り合っていたことが、ちんぷんかんぷんだったでしょう。
「イナゴ」という詩を勉強した時、1時間の授業が終わった後、Bさんが「葉っぱの上にアナゴが乗っているって、やっぱり気持ち悪い」と言いました。
Bさんはイナゴを知らずに、自分でアナゴだと思い込んで、この詩を勉強していたのです。
こんなふうに、持っている語彙が少ないと、同じ学習をしていても、見当外れの学習をしてしまうことがあります。
逆に、語彙が豊富だと、人より早く学習が身につくこともあります。
算数の「約数」の「約」は、「およそ」という意味ではなく、「割符」という意味です。
これを知らない子は割合多いのですが、このことを知っていると、約数や公約数を求める時に、イメージしやすいので誤りが少なくなります。
思考の道具は言葉です。
昔、詰め込み教育が批判されましたが、14歳までは、言葉を詰め込んだ方がよいと思います。
正しく豊かなイメージと結びついた言葉は、思考の最強のアイテムです。
言葉を教える時は、お子さんの頭の中に映像が映るように教えてください。
お子さんが、「これ、どういう意味?」などと言葉の質問をしてきたら、面倒がらずに、必ず、その時に答えてください。
大人でもわからない場合もあります。その時は、一緒に調べてください。
そうすることで、お子さんは、自然に自分で調べるようになります。
くれぐれも、「自分で辞書で調べなさい」と、おっしゃらないように。