子どもの辞書は
人は、生まれてから、一度も「会話教室」に行かなくても、母国語を操れるようになります。
それゆえに、国語の勉強を面倒に思い「なぜ、国語なんか、やるの?」と嫌いになる子も多いようです。
しかし、勉強の基本は国語(母国語)です。
算数の勉強も気になるでしょうが、国語の力を伸ばしてやることは、最も重要なことのひとつです。
小学校の算数では、学習範囲が狭いため、決められた問題が解けるようになると、テストの点が一気に上がり、やっている本人も、それでやる気が出てきます。
でも、国語は、算数と同じように勉強しても、一気に点数が上がるのは、漢字テストくらいのものです。
学習の性質が違うので、算数の勉強は細菌を殺す西洋医学の特効薬、国語の勉強は体質改善を目的とし、ゆっくり効いていく漢方薬のようなイメージを持ち、国語の学習にはじっくり取り組む姿勢を持つことが、まず、大事です。
では、どうすれば、国語の力は伸びるでしょうか。
それは、声を出して言葉を使うことです。音読もそうですし、また、これまでお話ししてきたように、大人とのおしゃべりもとても大事です。
小学校低学年の子どもは、親と同じ語彙を使い、同じ調子で話しています。
お父さん、お母さんは、子どもにとって、「音の出る電子辞書」のようなものです。
高学年になると、友達やメディアから、新しい語彙も取り入れるようになりますが、話すベースは、やはり、お父さん、お母さんの語彙と調子です。
この論理から行くと、お子さんの国語の力を伸ばすには、辞書であるお父さん、お母さんが、がんばればいい、ということになります。
「それは大変だ」と、あわてなくても大丈夫です。
お父さん、お母さんが無理をして「自分ではない自分」になる必要はありません。
「この言葉、今まで知らなかったけど、おもしろいなあ。これから使ってみよう」
「子どもが上品に見られるように、親もちょっと言葉遣いに気をつけてみようかなあ」
と、軽く思い、気づいた時に、やってみるだけでいいのです。
これは、「漢方薬」ですが、最終的に、絶大な効果が期待できる方法です。
読者の方からのお便り*********************************
勉強の基本は国語ですよね。日本で生活するなら、やはり日本語は大事だと思います。
私は英語と数学を中学生に教えていたことがありますが、数学や英語試験問題で、日本語で書かれた問いの意味が理解できず解けない子供が何人かいました。
でも、私が簡単な言い方に言い直してあげると理解でき、正解できました。
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