みなれる、みみなれる

 毎週1回漢字テストをしています。

このテストで満点をとれば、1週間漢字書き取りの宿題は無しです。

 これまで7回行い、満点をとったのは二人の子がそれぞれ1回ずつという難関です。

 先日は「みとこうもん」という問題を出しました。

水も戸も黄も門も、低学年で覚える漢字です。しかし、正解者は半分以下でした。

 水戸黄門という字面も見たことがあるはずです。

しかし、それが印象的に頭の中に入っていません。

 たとえば、水戸黄門という番組を見ながら、家の人と「こうもんって変な名前だね」「どういう意味なの」「みとってなに」「場所の名前だよ」などという会話が一度でもなされていれば、水戸黄門は書ける漢字になっているはずです。

 漢字の読みの練習用の新聞記事。「東京為替市場」という字が読めずに子どもたちがわいわい言い始めました。

するとある女の子が一言「かわせしじょう、でしょ。

ニュースでよく言ってる」この子の目と耳には「為替市場」、耳には「かわせしじょう」がしっかり入っていました。

 テレビ、ラジオのある家にいれば、この言葉は必ず目と耳に入っているはずです。

しかし、脳の箱にしまわれていません。

もし、関連したことについて、家族の会話があれば、確実に目と耳を通って脳の箱にしまわれるでしょう。

 新出漢字を授業で扱う時は、読み方、筆順、簡単な熟語くらいで精一杯のことが多いと思います。

 漢字の定着には、書き取りもある程度、有効ですが、見慣れること、聞きなれること、使い慣れることが大事なのは言うまでもありません。

 大人の会話は、漢字学習の宝庫です。

お父さん、お母さんが「この言葉をこの子は知っているかしら」と時々思うだけで、お子さんの漢字力は数倍に膨れ伸びていきます。


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