小さな、できること
中学校の音楽の授業研究会に行ってきました。
小学生の頃から「音楽の授業が嫌い」という男の子がいました。
彼は、小学校小学３、４年生の頃、自分の歌の音がはずれていることに気づいたようです。
これでは、音楽の授業は好きになれません。
人は誰でも、上手にできることは大好きになるし、できないことは好きになれないからです。
中には、一度も試合に出られなくても、そのスポーツが好きで、最後まで部活動をまじめにやる子がいますが、これは本当に例外で、例外だからこそ、周りの人間はその姿に感動するのです。
音楽の研究授業が終わった後、上手な子達は、休み時間になってもピアノの周りで歌の練習をしていました。
あまり上手とはいえないグループの子は、さっさと教室へ帰っていきました。
上手にできれば好きになる。
好きになれば人よりたくさん取り組みたくなる。
たくさん取り組めばますます上手になる。これが成功するための好循環です。
入り口の「上手にできれば」は、小さなことでかまいません。
タイピングの授業を始めて２週間ほど。
「先生、うまくうてるようになったら、楽しくなってきた」と言ってくる子が増えました。
算数では、今年も同じ計算問題を毎日やらせていますが、１ヶ月前には15分かかっていた問題が、５分で解けるようになって、「私、天才かも。算数って面白いね」と言っている子もいます。
５分で解ける問題に45分の時間を与えてじっくり解かせたら、「やった〜、自分で解けた。昨年まで算数嫌いだったけど、算数、好きになりそう」と言っている子もいます。
自転車に乗れるまでには、多くの子が苦労しますが、一度乗れるようになった子は、みんな自転車に乗るのが好きになります。
一輪車もフラフープも、できるようになった子は、休み時間も放課後も夢中になって楽しみます。
最初の「小さなできること」ができるようになるまでには、少し大変で少し時間がかかります。
そこを大人がやさしく見守ったり、厳しくやらせたりして、できるようにしてやれば、子どもたちはどんどん自分で力を伸ばしていきます。
「小さなできること」のアイデアをお持ちでしたら、また教えてください。
ちなみに、歌で音が外れる子は、耳の聞こえが医学的に悪くない限り、必ず治るので、お困りでしたらご相談ください。