漢字シャワー
6年生の学級では漢字の学習を次のようにしています。
新出漢字の担当を子ども全員で分担する。自分の担当する漢字を調べてきて、国語の時間に説明する。
1時間の授業につき2文字ずつ説明する。
説明を聞いた後、漢字ドリルを使って、4回ていねいにその字を書く。
週に1度、月曜日に漢字テストを行い、満点を取れなかった子は、次のテストまで、1日百字の書き取り練習を宿題としてやってくる。
宿題の書き取りは、私がチェックした後、当番の班がチェックして、上手だと思った字に丸をつけて本人に返す。
当番は日替わりで、一人が担当するノートは3人分ほどです。
その他の漢字学習として、以下のようなことをしています。
1つ目は、国語以外の教科書を読む。
国語の教科書をすらすら読める子が他の教科書はうまく読めないという場合が意外に多くあります。
教科、分野によって使われる言葉が違うからです。
2つ目は、百文字ほどの新聞記事を読む。
新聞の切抜きを読んだり、私が新聞から抜粋した文で問題を作って、みんなで読んだりしています。
また、私が漢語を使って子どもたちに話をしたと自分で気づいた時は、その字を黒板に書きながら話をします。
普通なら「家に帰ったら…」と言うところを「きたくごは…」という漢語を使い、黒板に「帰宅後」と書きます。
話をする時はこちらも意識して漢語を使うようにしています。子どもたちの持っている語彙は、大人が思っている以上に少なく、偏っています。
子供の持っている語彙だけを使って話ができるのが、私たちプロの力ですが、意図的に語彙を増やしてやることも重要な仕事だと思います。
お子さんの語彙の「ホーム」はお父さん、お母さんです。
お父さん、お母さんの話す語彙はお子さんの中で充分に消化されています。
お子さんが他の大人と接している時によく耳を澄ましていると、いつも家庭では使わない言葉が見つかります。
そういう言葉を見つけたらお子さんに説明してやってください。
お子さんの語彙力はうんと広がります。
今まで見た事のない文字が突然出てきて、これは覚えなければいけない文字だから、すぐに覚えなさい。
こんなふうに言われたらどうでしょう。
まったく知らない外国の文字をイメージしてください。絶対無理に決まっています。
新出漢字をすぐに覚えて書けるようになる子と、なかなか覚えない子の差はここにあります。
新出漢字をすぐに覚えて書けるようになる子は、実はどこかでその字を読んで、すでにその文字が頭の中に入っているのです。
日頃からたくさんの漢字をシャワーのように浴びている子は、知らず知らずその印象が頭の中に蓄積されています。
新出漢字を書きましょうと言われた時、すでに頭の中に入っている漢字のイメージと、目の前の文字がつながるのですぐに書けるようになるのです。
お子さんは新聞などの漢字を読めますか。
その記事の詳しい内容を知ることや自分の意見を持つことは、また別問題と考え、とにかくたくさんの文字に触れる機会をお子さんにあげてください。