文字で聞く
読者の方からのお便り*****************
最近漢字を調べるのに私も子供もテキストエディタ(メモ帳とかメールとか)を使うようになりました。
同音異義語の説明も吹き出しで出てきます。
とても便利で辞書はすっかり出番がなくなりました。
でも子供が言葉の意味を正確に覚えられないのです。
漢字を調べるとき、意味も読みます。
辞書を引くのは大事なことだと思います。
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親子でいっしょに漢字を調べるのは、とってもいいですね。
親子で「勉強で遊ぶ」と、一石二鳥です。
6年生のA君が書いた文**************************
街中を歩いていると、必ずわからないものに出会います。
それは、漢字です。
最近は、みんなも授業中によく漢字を使ってくるので、解読するのがとても大変です。
このままでは置いて行かれると思った僕は、漢字を覚えることにしました。
夏休みに、漢字を書いてみたり、言ってみたりして覚えていきました。
でも、そればかりでは、すぐに飽きてしまうので、楽しく覚える方法を考えてみることにしました。
開発した方法は、漢字を書く時、ぐにゃぐにゃの字で書いてみたり、カチカチの字で書いてみたり、いろいろな書き方をすることです。
その結果、難しい漢字でも早く楽しく覚える事ができました。
おかげで、最近、みんなの言っていることが、だんだん聞き取れるようになってきました。
この夏休みに、漢字を通してわかったことがふたつ。
勉強を効率よくやるには、楽しむこと。
努力は絶対に裏切らないこと、です。
これからも漢字の勉強をもっとやっていこうと思いました。
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A君の文には、重要なことがたくさん含まれていますが、今回、私が気になったのは、「 最近、みんなの言っていることが、だんだん聞き取れるようになってきました。」という部分です。
これは、とても重要な事なのですが、普段、なかなか気づかないことです。
日本語は、その特性から、同音異義語がたくさんあります。
それをしっかり聞き取れなければ日本語はわからないのです。
耳から入ってきた同音異義語を正しく理解する鍵は、漢字です。
耳から入ってきた音にぴったりの漢字をさっと頭の中に描ける力があれば、A君のように、みんなの言っていることが聞き取れるのです。
漢字を知っているという力は、こんなふうに日本語のいちばん大事なところ、学習のいちばん大事なところに、大きく関わっています。
子ども達は、意外なほど多くの熟語を、右の耳から左の耳へ聞き流しているかもしれません。