今だから、ひらがな

 私は字が下手です。今でもそうですが、学生の頃までは、本当にひどい字でした。

 そんな私が就職をして初めて担任したのが小学校1年生の学級でした。

1年生の大事な勉強のひとつに、平仮名の学習があります。

 1年生にとっては不運でしたが、私の方は幸運であることに気づきました。

先輩の先生が、平仮名の指導について、手取り足取り教えてくれ、平仮名の上手な書き方が、生まれて初めてわかったのです。

仕事で平仮名の上手な書き方を教わるチャンスに恵まれる人など、滅多にいないはずです。

 先輩から、平仮名の一文字一文字について、どうやって教えるかを教わりました。

一文字一文字にちょっとしたこつがあって、それを知るとお手本のように上手に書けるのです。

 これは、きっと自分が7歳の時にも、先生から教わったこつでしょう。

でも、7歳の時のことはひとつも覚えていないし、字も上手になりませんでした。

 ところが大人になった今なら、平仮名のこつがどんどん頭の中に入ってきます。

基本的には字はうまくはなりませんでしたが、いざという時、ゆっくり考えながら書きさえすれば、それなりの平仮名が書けるようになっています。

 5年生の最初に、平仮名一覧表を全員に持たせ、毎日少しずつ、一文字ごとのこつを教えていきました。

半数の子どもは面倒くさがりましたが、半数の子どもは、平仮名が上手になってうれしいと言いました。

 常識的に考えれば、5年生で平仮名を練習させられるというのは、嫌なことです。

でも、7歳ではなく、11歳だからこそ、上手な平仮名を会得できたのです。

先日、3年生の教室で「を」を教えたら、一所懸命練習してくれました。

癖はなかなかとれませんが、意識して書いた時には、どの子も、上手に書けるようになりました。

 お子さんは、字を丁寧に書きますか。平仮名は上手ですか。

もし、お子さんの字をいつも心配していらっしゃったら、一度、お子さんに平仮名のこつを教えてあげてはどうでしょう。

お子さんは、きっと、平仮名の上手になった自分自身を好きになると思います。

 「を」「ん」「か」「え」「み」「め」は、直すと効果絶大です。


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