桃太郎で感想文を書いてみる
読書感想文は1200文字の中で、本の内容と自分の生活や考えが何度か出会う必要があります。
たとえば、「桃太郎」で考えてみましょう。
1 自分が小さい頃、寝る前に、おじいちゃんがよく話してくれた。
僕にとって、おじいちゃんは…(おじいさんとの思い出、おじいさんの好きなところなどを結末への伏線にできるといいですね)。
短い話だと思っていたけど、図書館で見つけた本は、思いのほか厚い。
自分の知らないストーリーがあるのだろうか。
2 父と母は共稼ぎで、自分も桃太郎と同じように、祖父と祖母に育てられたようなものだ。祖父と祖母が困っていたら、自分も桃太郎のように力が出せるだろうか。
3 自分には、仲良し4人組の友達がいる。
もちろん、食べ物(きびだんご)でつながっているわけではない。
犬、猿、雉は、桃太郎と本当はどんなところでつながっていたのだろう。
4 今の世の中に鬼はいない。でも、完全に平和とは言えない。
そういえば、おじいちゃんはニュースを見ながら…(ここで伏線を生かしたりします)。
自分が鬼退治の代わりにできることは何だろう。
そのために、今、何をしなければいけないだろう。
5 桃太郎は、ただの子供向けのお話ではなく、日本の成り立ちに関係する物語として研究している人もいるらしい。
もう少し大きくなったら、そんな研究の本にも触れてみたい。
こんなふうに、自分とからめながら、「もし、桃太郎が現代にいたら、鬼退治の代わりに何をするのだろう」などと想像をふくらませ、筋を通すのもよいかもしれません。
親が教えながら書く、というのが、よくないように思っている方もいらっしゃるようですが、積極的に手伝った方がよいと私は思います。
ほとんど親のアイデアだけで書き上げたものが、いきなり凄い賞をとってしまうのもまずいですが、1年生の時から毎年、親と一緒に考えながら書くことで、書き方を覚え、その成果として、何年後かに自分で書いたものが入賞するというのは、正しい学び方です。
大事なのは、一緒に考えてやっている時、親が楽しそうな顔をしていることです。
鬼のような顔で感想文を書かせると、子どもは一生、文を書くのが嫌いになりますから。
読者の方からのお便り********************************
読書感想文も悩みの種のうちのひとつです。
まだ2年生なので、どうしても親が手伝ってあげないと難しいですが、それでよいものかどうかと思っておりました。
親と一緒に書いてもよいと言っていただいて、安心しました。
子供と楽しみながら書ければと思います。
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楽しみながら、というのが一番重要だということを御理解いただいて、うれしいです。
親が手伝いすぎた時は、先生から「素晴らしいので、学校代表でコンテストに出します」と言われても、親が手伝ったことを伝えて、出品はお断りしてくださいね。
でも、そういう評価をもらったこと自体は、子どもの大きな励みになり、「来年は自分で書くぞ」という意欲につながると思います。
何人かの作家のインタビュー記事を読んだりテレビで見たりしたのですが、多くの作家の方の出発点は、「親の読み聞かせ」だったようです。