「を」から始めましょう
子供たちの字を見ていると、同じようなくせがあることに気づきます。
そこを少し直してやると、かっこいい字になって、子供が喜んでくれることがあります。
でも、平仮名を教わったばかりの1年生にそれを教えても、なかなかわかってもらえません。
5年生、6年生に教えると最初は「え〜、なんで平仮名をやるの」と言いますが、こつはすぐに飲み込み、上手になります。
「平仮名は1年生」たったこれだけの思い込みを変えるだけで、いろんなことが変わってきて、幸せの種が増えたりします。
まず、平仮名のお手本を用意してください。
いちばん良いのは、ますを縦横に区切って一つのますが4つの部屋に分かれているところに平仮名が書いてあるお手本です。
そうなっている書き取り帳も売っていると思います。
なければ、普通のお手本でけっこうです。
お子さんの書写の教科書にあるかもしれません。
では、さっそく「を」を見て、お手本とお子さんの字を並べて見てください。
子供にお手本どおりに書きなさいと言っても、自分の字とお手本のどこが違うのかはなかなか見つけられないものです。
そこを一言助言してあげるとすぐにうまくなります。
「を」は3画の字です。
@ 1画目は、少し短めに、少し右上がりに書きます。
A a 2画目は、まず縦の区切り線からスタートし、左斜め下に向かって、横の区切り線で止めます。
b 次に横の区切り線を戻り、中心点を通って、縦の区切り線に沿ってまっすぐに下へ行きます。
B 3画目は、上が長くなるように終わりの位置を短めに調節して書きます。
おわかりになりましたか。
いざ、言葉だけで説明しようと思うと、とんでもなく難しいことに今気づきました。
さて、ここからが重要です。
@〜Bを一度に全部教えても、子供の字は変わりません。
お子さんの字のどこがお手本と違うのかを、お父さん、お母さんが見つけて教えてあげてください。
そのたった1点を見つけてやることが重要です。
3画とも全部おかしい、という場合には、Aのbに注目してください。
ここが垂直にまっすぐに下に下りず、丸く終わっている子がとても多いようです。
どこも全部直したいという場合は、まずここを直してください。
Aのbを直すために、Aのaも直す必要のある子がいます。
2画目の最初がななめではなく、垂直に下りてしまうために、Aのbが垂直に書けなくなっています。
Aを教えたら、何度が練習させましょう。
見違える字になるはずです。
子供がそれを喜んで、もっと上手になりたいと思っているようなら、次にBを教えます。
さらに余裕があれば@を教えます。
心ひそかに字が上手になりたいと思っている子には、Aが書けるようになっただけでも、大きな喜びがあるようです。
子供の字が上手になると親の自分もうれしいですよね。
その親のうれしさが顔や声音に出ていれば、お子さんは「もっと教えてほしい」と思うはずです。