感想文の書き方 わいわい読書
夏休みには、読書感想文の宿題が出ることも多いでしょう。
本嫌いの子にとっては、なかなか難物の宿題です。
本好きな子を増やそうとして、読書感想文を書かせることを誰かが思いついたのでしょうが、「感想文さえなければ自分は読書が好きになっていたはずだ」という人もいるくらいで、読書感想文を書くことが、いいのか悪いのか、難しい問題です。
と、理屈をこねていても宿題はなくならないので、感想文は書かせてしまいましょう。
感想文を書く時には、このようなことに気をつけてみてください。
○ あらすじは書かない。
評価する時に、まず一番に「はねられる」のが、あらすじをだらだらと書いてある感想文です。
一番大胆なのは、どこか別の場所にかかれているあらすじをそのまま写し、最後に「感動しました」とかいてあるような文です。
書き写すだけで大変な労力なのに、その労力は報われるどころか、がんばった分だけ自分の評価を下げてしまいます。
○ 自分を書く。
求められているのは、本の良さ、ではなく、読んだ人の変化です。
「面白かった」「感動した」という本の感想ではなく、この本を読んで「自分はこんなふうに変われそうだ」「こういう決心をした」という自分を書けると、いちばんよいでしょう。
○ 本を選ぶ。
その本を読んで変化した自分を書くためには、読む前からそれに関心を持っているという内容の本を選ぶのが一番手っ取り早いようです。
「今まで知らなかった世界に出会った」という感想文もいいですが、これを書くためには、読書がとても好きで、いろいろな本を読んでいなければ、なかなか書けません。
あるサッカー好きの男の子は、毎年サッカー関係の本を読んで、感想文を書きました。
好きなことですから、本も進んで読めるし、いつもサッカーについて考えているので、自分の意見も書きやすかったでしょう。
小学生は1年で大きな変化をします。毎年サッカー関係の本を読んでも、昨年とはサッカーに関する考え方も違っているので、一味違った感想文が毎年かけるのです。
虫好きの子は、ファーブル昆虫記などを読むのが定番ですが、虫図鑑を読んで感想文を書いてもいいんですよ。
要は、好きで好きで、いつもそのことを考えているということに関連した本を読むことが大切です。
○ 家族で話をする
書く前に、家族でわいわい話をしてあげることが大切です。
サッカーの本の感想文を書くなら、サッカーの話をたくさんしましょう。
物を創る(文を書く)ためには材料が必要です。
本に書かれていることに関係なくても、サッカーに関することなら、すべて感想文の材料になります。
○ 筋を組み立てる。
基本的なすじは、
1 この本と出会うまでの自分
2 この本と出会った衝撃
3 この本を読んで変わった(これからかわっていくだろう)自分
という具合です。
○ 場面や台詞を書く。
あらすじを書かない、と言いましたが、かわりに書くのは、「場面」や「登場人物の台詞」です。
その場面に出会って、どれだけ衝撃を受けたか、その台詞によってどれだけ心を動かされたかを書きましょう。
特に伝記や、ある人の活躍を追ったノンフィクションでは、著者が、主人公の台詞の中に大事なことを込めて書いています。
以上のようなことに気をつけながら書くと、ちょっとした感想文が書けます。
もし、賞を狙いに行くなら、
○ 題名を工夫する。
「○○を読んで」という題名では目立ちません。本の中の重要な言葉を使ったり、自分の心を表す言葉を使ってみましょう。
「世界の中心で、愛を叫ぶ」「君の膵臓を食べたい」のように、題名で、まず目立ちましょう。
○ 構成を工夫する。
基本的な筋について、先ほど書きましたが、わざとこれを壊すと、かっこよくなったりします。
「いきなり主人公の台詞から入る」「この本をきっかけに変わった自分の十年後の姿から入る」など、まず入り口を工夫して、全体を組み立ててみましょう。