公式炊飯器
6年生の算数の時間に子どもたちに話したことです。
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電気炊飯器は、軽量カップでお米を入れ、内がまの線に合わせて水を入れ、スイッチを押せば、誰でもおいしいご飯が炊ける。
これは、便利な発明だから、どんどん使えばいい。
発明した人は、おいしいご飯を炊くための「適切な水の量」とか「火加減」をよく知っていて、それを研究して今の電気炊飯器ができあがった。
算数の公式も、同様に、いろいろな考え方を積み重ねて、正しい理論をもっとも簡単に使えるように工夫された発明だ。
だから、公式も、電気炊飯器と同じで便利だから、どんどん使えばいい。
でも、公式を言葉で暗記するだけでは、困ったことが起こる。
たとえば、軽量カップと釜の線がなければ水の量がわからない、それどころか、スイッチさえ押せばご飯が炊けるとしか思っていない人が、電気がストップしてしまった時や、山など、電気のない場所に行ったら、ご飯は食べられない。
算数の問題を解く時も、同じことが起こる。
山の中でご飯を炊くより、高い頻度でそれが起こる。
速さ×時間=道のり、という公式は、速さというのは単位時間当たりの道のりを表す言葉という基本から生まれた、とか、長方形の面積=たて×よこ、という公式は、面積というのは正方形を単位量として、その数を表す言葉という基本から生まれた、とか、三角形の面積=底辺×高さ÷2、という公式は、長方形の面積の求め方から生まれた、というような基本(ご飯を炊くときの水の量や火加減)を理解した上で公式を使えば、どんな問題でも楽に解けるけど、公式を言葉だけで覚えていると、速さと道のりと時間を、どの順序でかけたり割ったりすればいいか混乱する。
嘘だと思うかもしれないけれど、毎年そうして公式の言葉だけを暗記したために算数がわからなくなってしまう人が出てくる。
炊飯器も公式も便利だからどんどん使おう。
ただし、基本原理は忘れないように。
逆に基本原理さえわかっていれば、公式は暗記しなくていい。
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公式の言葉だけを暗記するのが「近道」のような気がしますが、実際は、それでは使い物になりません。
時間がかかっても、公式ができたわけを理解しなければ、後々ひどい目に会います。
逆に、ここで時間がかかっても、公式ができたわけを説明できるようになっていれば、どんな問題でも解けるようになります。