読解力をつける

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 いつも素敵なアドバイス、ありがとうございます。

 基礎計算の話は1年生ということでタイムリーでした。

計算カード、つくってみます。

 子供の夏休みの宿題を見てあげていて思った事は、算数の問題についての読解力がないということでした。

これは本をたくさん読ませるしか方法はないのでしょうか。

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 勉強をする上で大事な力は、いろいろありますが、中でも読解力は最も大事な力だと私は思います。

 小中学校は義務教育なので、知るべきことを身につけるために、指導者は、あの手この手を使って子どもの興味を惹き、学習ができるように手を尽くします。

でも、本当に勉強が必要なのは中学校を出てから、いえ、仕事を始めてからだといえるでしょう。

 その時、学習するのに最も必要なのは、「多くの人と接する力」「接した人に喜んでもらえる力」「接した人から吸収する力」です。

でも、人と直接ふれ合うには、物理的に限界があります。

それを補うのが「読書」です。

読解力が高く、読書量が多ければ、古今東西、世界中の人の考えを学べるし、最新の研究を知ることもできます。

 さて、ご指摘の通り、読書量が増えれば、読解力は上がります。

問題は、読解力のない子の多くは、読書が苦手だということです。

人間は、基本的に「好きなことしかやらない」し、「うまくできないことは好きになりにくい」からです。

でも、そうも言っていられません。

野球の素振りや、サッカーのボールリフティングのように、少しでも読書の練習しましょう。

 一つめの練習は、言葉を増やすことです。

 英会話の練習を始めて、知っている単語が増えてくると、構文などはわからなくても、何となく相手の言いたいことがわかってくるようです。

これと同じで、子どもも知っている言葉が増えると、何となく書いてあることがわかってきて、面白くなります。

 言葉を増やす方法は、「大人といっしょに読む」ことです。大人といっしょに本や新聞を読むと、急激にボキャブラリーは増えます。

読む材料は子どもに合わせてばかりいる必要はありません。

お父さん、お母さんの興味のある本や新聞記事をいっしょに読んでください。

 二つめの練習は、文を絵や図にすることです。

 文章は、頭の中で映像化されたり、図式化されることで、整理され、理解されます。

本を読むのが苦手な人は、これができていないことが多いようです。

小さい子には、絵本の読み聞かせから始めれば、よいと思います。

絵本に書いてある文章と絵が、こんなふうにつながっているのだとわかることで、脳には「文の映像化」をしようとする癖がつきます。

 さらに、小学生になったら、算数の教科書の文章問題を図に描く、という練習法をお勧めします。

「6つケーキがあります。2つずつお皿に載せると、お皿は何枚必要でしょう。」というような小学校の算数の教科書の文章問題を、1年生のものから順に図式化していくことで、文の構造を整理することができます。

最初から図式化するのが嫌な時は、ケーキとお皿の絵をていねいに描いてもかまいません。

やがて、ケーキが□、お皿が○で簡単に描けるようになり、そうなると、図式化も速く楽になります。

算数の教科書は、国語の勉強もできる優れものです。

 教科書に飽きたら、少し難しい算数の問題集を買ってきて、図にしてみましょう。

「基礎計算の速さ」を身につけ、図式化を楽しめるようになると、算数は自然にできるようになっています。

6年生の「分数のわり算」の図式化は、なかなか手強いので、お父さん、お母さんもいっしょに挑戦してみてください。


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