象とキリンのお買い得パック
5年生の算数です。
3.6×2.4+6.4×2.4
一見、複雑な計算のように子どもたちには見えますが、答えの24は、暗算で簡単に出せます。
3.6×2.4+6.4×2.4
=(3.6×+6.4)×2.4
=10×2.4
=24
分配法則を使えば、簡単です。
中学校では、
(a+b)×c=a×c+b×c
小学校では、
(○+△)×□=○×□+△×□
などと、教科書には説明が書いてあります。
これを理解したり、覚えたりするのには、いろいろな方法があります。
力づくで暗記しようという子もいるかもしれませんが、「暗記の天才」以外には、脳に余分な負担がかかるだけです。
簡単な数字にすれば、納得はしやすくなります。
(1+2)×3=1×3+2×3=9
また、物に置き換えれば、イメージしやすくなります。
1をりんごに置き換え、2をバナナに置き換えれば、「りんご3こ、バナナ3本を別の店で買う人と、りんごとバナナが1本ずつ入った袋を3袋買う人の払う代金は同じです。」ということになります。
りんごとバナナはよく使うので、りんごの代わりに象、バナナの代わりにキリンを買うことにすれば、脳への印象は強くなります。
普段の生活では、象やキリンを買わないからです。
「象を3頭、キリンを3頭、別の店で買うのと、象とキリンが1頭ずつ入った袋を3袋買うのでは、代金は同じでしょうか、違うでしょうか」
象とキリンの1頭ずつ入った袋を担いで帰るのを想像するだけで面白くなるので、1年後、分配法則のことをうっかり忘れている子も、象とキリンを買う話を思い出そう、と言うと、すぐに思い出して問題を解きます。
ただ、だからといって、いろいろなところで象とキリンを使うと効果は半減します。
ここぞという時に、使いましょう。
また、「そういう袋詰めは、いつもお買い得パックで、別々に買うより安いことが多い」などと言いだす子がいると、わかりかけていた子が混乱する場合があるので、お気を付け下さい。
「お買い得」に気づいた子は、とても頭のよい子ですが。