言葉の意味をはっきりと知る

 算数で「倍数と約数」を勉強しました。

 倍数は、「倍」の数ということで、子どもたちも、すっきり理解できたようです。

でも、約数には、最初、戸惑う子もいます。

「約」という言葉が、「およそ」という意味だと思っているからです。

 この場合の約数の「約」は、およそ、ではなく、「割符」という意味です。

 割符といっても子どもたちにはわからないので、好きな人と半分ずつ持つハートのペンダントだと教えてきました。

今時、こんな例えで理解できるかなと危ぶみながら、今年も子どもたちに言ってみたら、通じました。

 「約」は、二人で合わせるとぴったりハートの形になるペンダントと同じなので、12の約数を考える時は、それをイメージして、1と12、2と6、3と4の3つのペンダントができると考えます。

 これを使って約数ゲームをすると、1時間、面白がってやります。

 まず、自分が決めた数の約数ペンダントを作ります。

決めた数が「12」なら、3つのペンダントヘッドができます。

どんな数字の約数ペンダントを作ったかは、誰にも秘密です。

 今回は、200までの数の中から選ぶことにしました。

その「約数ハートの割符」を友達と交換し、どちらが早く、全部のハートを完成させるかを競います。

 いろいろな友達と対戦するうちに、いろいろな数の約数に慣れていくことができます。

約数が多ければ多いほど合わせるのに時間がかかるので、約数の多い数を選んでハートのかけらを作るのが有利です。

 しかし、「1」のハートを入れてしまうと、元の約数がわかりやすくなります。

それで、ハートの数が減れば不利になるという危険を冒して、その「1と決めた数」のハートや、他のばれやすいハートを入れずに出題するという技も考えだします。

 今回は、家でいっしょにやってくれたお母さんもいて、「おもしろかったです」という感想をいただきました。

 「約」という言葉を、なんとなく「およそ」だと思ったまま、最大公約数の求め方を練習した子は、約分の勉強をする時、約数と約分がすっきりつながらないまま、やり方を覚えるだけで終わってしまうかもしれません。

 どの教科でも、思考の材料は、言葉と図です。

 知っている言葉を、どんどん増やしていくのも大事ですが、ひとつひとつの意味をはっきりと知っておくのも大事です。

ちょっとでも気になる言葉があったら、すぐに調べるという癖を、子どもたちに持ってほしいと思っています。


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