「常識」を外して、単位を整理する
6年生の算数です。
6年生の最後に、今まで習った単位の仕組みをまとめるのですが、これが厄介だと感じる子は少なくありません。
頭の中にすっきりと収める方法はないものかと、苦労している子どもは多いと思います。
問題点は2つあります。
ひとつは、これまで、生活の中で、「センチ」と「ミリ」を長さの単位として口にしてきていることです。
本来は「センチメートル」「ミリメートル」であって、長さの単位は「メートル」の方です。
「センチ」は100分の1というだけの意味、「ミリ」は同様に1000分の1という意味しかありません。
それが、生活用語から、子どもの頭の中では、「ミリ」より長いのが「センチ」、「センチ」より長いのが「メートル」、「メートル」より長いのが「キロ」というふうに、「ミリ」や「センチ」が「長さ」になってしまっています。
長さは「メートル」、重さは「グラム」、かさは「リットル」、広さは「アール」が単位です。
「ミリ」「センチ」「デシ」「デカ」「ヘクト」「キロ」は何倍かを表すだけで、単位ではないということが整理できれば、単位の勉強の半分は、できていることになります。
ただ、子どもの頭の中では、「それまでの常識」と違うようで、整理するのが難しいようです。
もう一つの難関は、「平方メートル」と「立方メートル」です。
1mが100cmは、どの子も知っています。そこで、考えるのが嫌な子は、1平方メートルも100平方センチメートルにしたくなります。
ここは、落ち着いて、正方形の絵を描けば、大きな正方形の中に小さな正方形がいくつあるかがわかり、1平方メートルは、1平方センチメートル10000こ分(100×100)であることがわかります。
立方メートルと立方センチメートルの関係も、絵を描ければ、間違いはなくなります。
あとは、「1辺が10mの正方形が1アール」、「1辺が10cmの立方体が1リットル」、そして、「1立方センチメートルの水の重さが約1グラム」を覚えたら、6年生の算数は終わりです。
これらを応用すれば、基本問題は簡単に解けます。
整理できれば難しくない学習ですが、「センチは長さという常識」を頭から外すのは、子どもにとってなかなか容易ではないようです。
大人の私たちも、気づかぬうちに、いろいろな場面で、変な常識にとらわれているかもしれませんね。
読者の方からのお便り********************
あっ、『目から鱗』とはこのことです。
今まで子供には「とにかく覚えなさい」と言ってきました。
もう一度、自分の頭を整理して、子供に教えたいと思います。
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人に教えようとすると、知っているはずのことの中にも、新たな発見があって面白いですね。