円周率を覚えるよりも

 5年生の算数で、円周率の勉強をしました。

 円周率が3.14などということは、ほとんどの子が、学習前から知っています。

円周率を使った問題も、基本的なものなら、すらすら解けます。

 でも、授業では面白いことがありました。

 円周率を出すために、円周の長さを測る授業です。

 円周を小さく刻んで行って、直線に近くなったら定規を当てる。

 定規の上で、円を転がしてみる。

 円の周りに糸などを巻いて、糸を伸ばして測る。

 など、方法はいくつもあります。

 いくつかの方法をすぐに思いついた子もいましたが、1つも思いつかない子もいました。

 円周率を暗記するよりも、また、円周率を使った問題を解くよりも、こちらの方が重要だと、私には思えます。

 コンピューターゲームをやっていると、一つの方法でクリアすればOKであることが多いでしょうから、そこで、いくつもの方法を見つける必要はありません。

 しかし、実社会では、一つの方法が駄目だからといって、それであきらめていては、何も成し得ません。

一つの方法で挑戦し、駄目なら次の方法、それでも駄目なら更に次の方法…。

こういう力が身についていないまま社会に出てしまうと、仕事のできない人になってしまいます。

 材料を工夫して何かを創る、といった遊びや作業を数多く経験することで、この力は身につくのではないかと思います。

 200万円以上するのに、何年先までも予約がいっぱいの木の自転車を作っている方は、小学生の時に本物の船を造っています。

代々伝わる船大工の家に生まれたとはいえ、これはすごいことです。

 日曜大工でも、お料理でもかまいません。

お子さんと一緒に、材料から何かを作り、たくさん失敗する経験をさせてみませんか。


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