算数のできる子

 4年生の算数の時間に、子供たちに尋ねました。

「算数のできる子って、どんな子?」

 子供たちは口々に答えてくれましたが、「計算の速い子」「暗算のできる子」の二つにまとまりました。

確かにこれは大事なことですが、それだけでは算数のできる子には、なれません。

以下は、子どもと私のやりとりです。

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私:計算はとても大事ですが、もうひとつ大事なことがあります。それは、「式や図を言葉で表す、または、言葉を式や図で表すこと」です。

子ども:どういうこと?

私:では、5ー3=2を、お話にしてごらん。

子ども:(少し考えて)玉ねぎが5個あって、3個使ったら、残りは2個。

私:正解です。これが式を言葉で表すということです。他には?

子ども:パンが5個あって、3個食べたら、残りが2個

私:何とか違いを出そうとしたことは、とてもよいことです。でも、これは、玉ねぎの話と同じパターンです。

子ども:(かなり長く考えた後)お姉さんがパンを5個持っていて、妹が3個持っていると違いは2個。

私:そうです。違うパターンでできたね。まだ、あるよ。

子ども:もう、わからない。

私:5歩進んで、3歩戻ると、最初から2歩分進んだことになる。

子ども:そうか。

私:こんなふうにいろいろな考え方ができると問題が解けます。

  料理でいうと、「計算が速い」は、「包丁が上手に使えること」です。

「おいしく作れる」に当たるのが、「式や図を言葉で表す、または、言葉を式や図で表すこと」です。

  上手にみじん切りができていても、残念な味なら、料理のできる人とは言えません。

逆に、どんなに味がよくても、包丁を使うのが下手で、夕飯を作り始めたのに、朝になってもまだ完成しないのでは、おいしい料理を家族に食べさせることはできません。

  問題文を読んで、いろいろな方法を考えたり、式をいろいろな方法で説明する力と、計算力を同時に鍛えていきましよう。

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 熟練した道具扱いと豊かな発想力。どちらも大事にしていことが必要です。

 大人になって大きな仕事をする時には、道具使いに熟練した人と豊かな発想力を持った人が協力し合えばいいので、どちらかを極めていくのもいいでしょう。

でも、算数の勉強では、どちらも同時に鍛えていきましょう。

 数式を言葉で表す力は、親子の豊かな会話の中で育まれます。

お父さん、お母さんは、たっぷりお子さんとのおしゃべりを楽しんでください。

読者の方からのお便り*******************************************

 お料理のたとえ、とてもわかりやすいです。

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