思考する発見
学習する時、脳を休まず働かせ
調査 → 発見
↑ ↓
予想 ← 疑問
という循環をするのが大切だと子どもたちに教えています。
出発がどこからかは、学習内容によって違いますが、何かを見つけ、そこから疑問を抱き、答えを予想し、観察や実験などをする、その結果から、また新しい発見をし、疑問を抱く…という循環が子どもの力を高めていきます。
4年生の社会科の授業、安全な町づくりの学習で、子どもたちは消火栓や火災報知機などを探しに出かけました。
教室に帰ってくると
A君は、「体育館には消火栓が3つもありました」
B君は、「体育館には消火栓が3つありました」
とみんなに報告します。
二人の報告の違いは、「も」が入っているか、いないか、というわずかな違いです。
体育館には、消火栓が3ヶ所にあったようです。
B君はもちろん間違ってはいません。
しかし、二人の発見には、大きな違いがあります。
A君の発見はとてもよいのです。
では、A君は、どうして「3つも」と言ったのでしょう。
そこには、「校舎のあちこちに消火栓があるので、体育館にも1つはあるだろう」という予想を、本人も気がつかないうちにしながら、体育館を調べたのです。
1つはあるだろうと予想していた場所に、3つあったのですから、驚きです。
その驚きが「も」に表れています。
この驚きは、「どうして体育館には、他のところより多く消火栓があるのだろう」という疑問につながります。
発見は、見つけることです。消火栓が3つあった、というのも、発見には違いありません。
ただ、それだけでは、脳を休まず働かせる循環は動き出しません。B君のように予想しながら調査するくせをしっかりつければ、脳が働く循環は、簡単に動き出します。
「ロボットがセンサーで物を数えるだけ」の発見しかできない人ではなく、「思考する発見」ができる人に育ってほしいと思います。
お子さんの「発見の言葉」に耳を傾けてみてくださいね。