名画で「まねぶ」

 図工の授業では、名画鑑賞の時間はよくありますが、名画を真似て描くことは、小学校ではあまりありません。

 真似る、といっても本格的にする必要はありません。

A4くらいの画用紙に、クレヨンなどで簡単に描くだけで、楽しいものです。

ゴッホの星月夜などは、クレヨンでぐいぐい描くだけで、雰囲気が出ます。

短い時間で完成するので、子ども達も飽きません。

モネの積みわらのような作品は、クーピーペンシル(製品名ですね)のような子どもの持っている色鉛筆で描くと、雰囲気がでます。

ピカソの泣く女、ムンクの叫びなども、子ども達は楽しそうに描きます。

描く前は難しそうに思えたゴッホの星月夜が、意外に早く完成したり、簡単に描けると思ったピカソの泣く女、ムンクの叫びなどが意外に難しかったりします。

 子ども達はいろいろなことを考えながら描いているようです。

本物は違う画材で描いているのですから、もちろん、その色にはなりません。

でも、こうして考えながら「名画」を完成させようとすること、よいものを真似しようと工夫することは、楽しく、いろいろなことを身につける方法の一つです。

真似をして描いただけで基礎が身につくわけではありませんが、何もないところから「自由にやりなさい」よりは、確実に大事な技術は身につきます。

 また、野菜や花の絵も描きました。

本物の野菜や花を見て描くのではなく、植物図鑑の絵を見て描きました。

理由は、リアルな絵に仕上げるための技術を見つけ、手になじませるためです。

 小さな子はりんごを描かせると赤で塗ってしまいます。

本物のりんごを見ながら描いていても、です。

でも植物図鑑のりんごの絵をよ〜く観察すると、いろいろな色の絵の具を使っていることに気づきます。

「りんごの絵なのに、白い絵の具をそのまま使っている」驚く子どもの声が聞こえます。

光が当たって一番輝いているところに使われる絵の具は白なのです。

 図工の授業で、絵画の模写はほとんど行われません。

どんなことも同じですが、技術を身につけるには真似をするところから始まります。

模写の工夫をしたことのない子は技術が身につかず、その子はイメージどおりに描きたくてもその方法がわからないことが多いのです。

 夏休みなど、何でもいいから絵を一枚という宿題が出て、お子さんがコンクール入賞をねらっていないのなら、模写をお勧めします。

名画でも、図鑑でも、何を描いても良い練習になります。

クレヨンで描くゴッホは面白いです。

 「学ぶ」という言葉は、「真似る」から来たと言われています。

「自由な発想」は、もちろん大事なのですが、やはり基本がしっかりしていないと、ある場所から先へは進みません。よ

いものを真似して身につけ、さらに発展させる。これが「学ぶ」です。

読者の方からのお便り****************

 真似するためには緻密な観察力が必要で、その観察力は絵を描く以外の分野にも応用できると思います。

「パクる」とか「パクリ」とか言って子供たちは少しの真似も嫌う向きがありますが、違和感を覚えます。

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 本当にそうですね。

個性、オリジナリティ、創造性…、どれも「無から生じるものではない」ことを忘れてはいけませんね。

真似ることから始めましょう。


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