リアルを手に入れよう
夏休みに、絵を描く宿題は出るでしょうか。9月締め切りの図工コンクール、作品募集ががたくさん学校に来るので、宿題になったり、描くことを勧められたりすることも多いようです。
私のクラスは、1学期に野菜や花の絵を描きました。
本物の野菜や花を見て描くのではなく、植物図鑑の絵を見て描きました。
理由は、リアルな絵に仕上げるための技術を見つけ、手になじませるためです。
小さな子はりんごを描かせると赤で塗ってしまいます。本物のりんごを見ながら描いていても、です。
でも植物図鑑のりんごの絵をよ〜く観察すると、いろいろな色の絵の具を使っていることに気づきます。
「りんごの絵なのに、白い絵の具をそのまま使っている」驚く子どもの声が聞こえます。
光が当たって一番輝いているところに使われる絵の具は白なのです。
図工の勉強で、絵画の模写はほとんど行われません。
どんなことも同じですが、技術を身につけるには真似をするところから始まります。
模写の工夫をしたことのない子は技術が身につかず、その子はイメージどおりに描きたくてもその方法がわからないことが多いのです。
何でもいいから絵を一枚、という宿題が出ていたり、お子さんがコンクール入賞をねらっていないのなら、模写をお勧めします。
有名な絵を模写する必要はありません。本物のように見える絵をひとつ真似して描いてみてはいかがでしょう。