よじ登る力

 自然災害は突然やってきます。

運、備え…、助かるための力はいろいろありますが、最後の決めては体力です。

津波から逃げ切る走力、走り続ける持久力、障害物を乗り越えるためのよじ登る力など、体力のほんの小さな差が、自分の命を守れるかどうかの境目かもしれません。

 三十年ほど前から、体育の時間に、遊具を使ったトレーニングを取り入れてきました。

1年生でも、6年生でも、やってきました。テレビの「SASUKE」をイメージしていただければ、わかりやすいと思います。

タイムを正確に計れればよいのですが、面倒なので、タイムは計りません。競うのは順位です。

 内容は、こんな感じです。

 200m走…ここのがんばりで順位が決まってきます。本気で走ると、とても大変です。

 丸太またぎ跳び…腰の高さに横たわっている丸太を10回跳びます。強い子は、びょんぴょんと跳べますが、200m走った後では、またぐのがやっとの子もいます。

 ジャングルジムくぐり…高学年には狭いジャングルジムの「中空」をくぐっていきます。

 滑り台…高い滑り台なので、階段をいかに早く駆け上がるかが、運動のポイントです。

 上り棒…昨年の4年生は、最初、これが登れなくてゴールできない子が10人ほどいましたが、1年間続けているうちに、全員が登れるようになりました。

 うんてい…低学年用なので、足を曲げたり上げたりしなければならないため、手の力とともに腹筋が必要です。

 鉄棒逆上がり…逆上がりができない子は、逆上がり1回の代わりに前周り降りを10回です。これだけ逆上がりが有利だと、逆上がりのできない子も休み時間に真剣に練習します。

 100m走…最後にここで順位を逆転できる子もいます。

 学校によって、遊具の種類が違うので、勤める学校ごとに、内容は変わります。

 最初、上り棒やうんていができない子もいますが、早くゴールした子が、自然にやり方を教えに戻るのを見ると、みんないい子だなあと思います。

クラスで最後にのぼれるようになった子が、初めて登れた時は、みんなが心から喜んでいて、忘れられない日になりました。

 こんなことを大人にやらせたら、みんな嫌がるでしょうが、子どもは真剣にやります。

こういうことを真剣にやれるうちに、体力をつけておけば、その先の人生の体の様子も変わってくるのだと思います。

読者の方から**********************************

遊具を使ったトレーニングすごく楽しそうですね!私も挑戦してみたいです(^-^)

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 同じ運動をすると、心も同期して、親子のつながりも深くなるようです。


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