ていねいに、その後、強く、はやく
スキップは、走るフォームを簡単に作れる効果的な練習です。
スキップをきちんと練習すると、自然に走るフォームが整い、蹴る力もついてきて、走るのが速くなります。
スキップは小さな子どもがうれしい時、自然にするものだから、どの子も簡単にできるかと思うと、意外にそうではありません。
一所懸命やっている子には失礼ですが、「笑える」スキップを、よく見かけます。
しかし、きちんとポイントを教えて、あわてずていねいにゆっくりやるように伝えると、だんだん、美しい形のスキップになってきました。
走るフォームを作るためのスキップのポイントは、以下のとおりです。
・腿が地面と平行になるまで膝を上げる。
・膝を上げるときに、がに股や内股にならないようにする。
・上半身の力を抜いて、きれいな腕振りができるように気をつける。
これができたら、次は、
・1回1回を強く、高く跳ぶ。
ここまで来ると、足の力もついてきて、走るのが速くなります。
ここで気をつけなければならないのは、フォームができるまで、あせって次の段階の「強く」とか「速く」へ行かないことです。
スポーツに限らず、音楽、書写など、身につけたいものは、すべて、ここに気をつけなければなりません。
算数の計算などの練習も同じです。きちんとした型が身に付くまでは、あせらずゆっくりやる。
形ができていないのに、あせって「強く」やったり、「速く」やったりすると、元の木阿弥です。
また、型が充分できているのに、強さやスピードを上げないのも、よくありません。
その型は、強さとスピードを備えてこそ、使えるものになるのです。
7才くらいの子どもは、夢中になってやりさえすれば、どんなことでも簡単に身に付きます。
でも、10才を越えた子どもには、もう、その能力はありません。
代わりに、その練習をする目的や、こつを理解することができます。
ですから、10才を越えた子どもには、ただ無闇に練習させるのではなく、本人が納得できるような目的やこつを伝えて練習をさせる方が効果が上がります。
大事なのは、型ができるまではていねいに、型ができたら、強く、速く、です。