外国語の勉強

読者の方からのお便り*******************

質問です。

小学一年生(双子)の父親です。

妻は、子供たちを英語の塾に週一回通わせたいと考えています。私は反対しています。

反対の理由は英語の教材費が40万円もするのと、今のうちは塾に通うよりも、友達と遊んだり親と遊ぶ時間が大事だと思うからです。

先生は、いまのうちから塾に通って英語の勉強はしたほうが良いと思いますか?

******************************************

読者の方からのお便り*******************

海外で日本の服を着る為に、日本の伝統文化に親しむようにしています。

子供は、1年生の時からお習字を習っています。

また、今年は区主催の茶道・華道親子マナー教室で月に1回教えていただいています。

単発の狂言や落語教室などにも参加しました。

日本の伝統文化は本当に素晴らしいですね!

子供を持つことによって私も色々学ぶことが出来て嬉しく思っています。

私は、英語の勉強は中学からで十分だと思っています。

*****************************************

 英語の勉強について、結論を言うと、小学生の英語の塾は、行かなくても心配ありません。

外国語の授業が始まって、何年間か6年生の子どもたちを見ていますが、どの子も楽しく授業を受けており、他教科のように差がつくことはありませんでした。

外国語が教科になり、成績がつくことになりましたが、成績がついたところで、たいして差が出ることもないと思われるので、全く心配をする必要はないと思います。

もともと、小学校の成績は、順位もついておらず、中学受験で少しだけ効力を発揮するくらいで、隣の○○君とどちらが成績がよいか、などということは、人生の中でほとんど問題になりません。

 小学校の勉強で大事なのは、日本語でしっかり考えることができるか、そのための基礎的なことが身についているか、ということです。

6歳から12歳までは、母国語の勉強が特に大事なのです。

また、お便りにあったように、世界の人と触れ合う時に、母国を愛していることも重要です。

母国を愛している人は、相手の国のことも尊重する心を持つことができるからです。

 どうしても英語の塾に、ということでしたら、小学校に入る前に、きれいな英語を話す人のところへ遊びに行かせてください。

5、6年生の子どもたちが困っているのは、先生の発音が聞き取れないことだからです。

もし、お父さん、お母さんに外国の人のお友達がいれば、最高です。

英語は、塾に任せるのではなく、お父さん、お母さんもいっしょに楽しんだ方が、お子さんの力は伸びます。

 6歳までに、発音を聞き取れる耳を手に入れる。

 6歳から12歳までは、日本語でじっくりと勉強する。

 12歳を超えたら、英語にも腰を落ち着けて取り組む。

 これが、私の考える理想的な外国語の勉強です。

 小学校で外国語の勉強が増えて日本語の勉強の時間が減っていくのは、子どもの思考など、能力全般が落ちていくようで、とても心配です。

言語は、コミュニケーションのツールであると同時に、思考のツールでもあることを重要視しなければならない、という点が、お便りをいただいたみなさんの共通認識であることは、心強い限りです。

 まず、母国語で深い思考のできる人になることが重要だと、日本中の人に気づいてほしいと思います。


 『速効よい子』へ戻る   ホームページ『季節の小箱』へ戻る