芸人さんから学んだこと
6年生に「夢を叶える授業」をすると、必ず、芸能人になることを夢に見る子が出てきます。
今年は、6年生の担任になることがわかってから、ずっと、「芸能人という仕事について生の声を聞く」ことができないものか、考えていました。
田舎に住んでいるので、教室まで芸能人に来てもらうのは至難の業です。
そこで、いちばん可能性があるのは、東京に行く修学旅行です。
修学旅行では、寄席に行って演芸を見たり、落語家さんをホテルに招いて落語を聞いたりする企画が時々あります。
前から、やりたいと思っていましたが、予算があまりないことと、芸を見るだけでは職業としての勉強ができないことで、いつも二の足を踏んでいました。
でも、この年は、教員生活最後の修学旅行です。
思い切って、フェイスブックなどを使って、知り合いでもない若手の芸人さんに頼んでみました。
「ノーギャラでも、やりますよ」と手を挙げてくれたのが、元旦ゲリラゴリラという漫才コンビのタイキ現象さん。
タイキさんが先輩方に協力を頼んでくれて、当日は、元旦ゲリラゴリラ、おせつときょうた、ハッピーマックスみしま、すっきりソングという4組7名の芸人さんが、ホテルまで来てくれました。
ネタを披露してくれるばかりでなく、子どもたちからの質問に答えてくれたり、子ども十人のグループの輪に一人ずつ入って、人前で堂々と話す方法などを子どもたち一人一人に丁寧に教えてくれました。
子どもたちは、「子どもにわかる言葉で話してくれて、いろいろな事を知ることができた」と喜んでいます。
・夢を叶えるために大事なのは「辞めない」「あきらめない」「続ける」こと
・人前でも緊張せずに話すコツはたくさんある
・自分の好きなこと、得意なことを仕事に生かすことが大切
・苦労は、楽しく過ごすためにある
・失敗すると強くなれる
夢の坂道を登っている最中の人の言葉は、本を読んだだけではわからない、本当に迫力ある言葉で、子どもたちの胸に染みて行ったようです。
どんなに教育システムが整っても、どんなに教育理論が素晴らしくても、生の声にはかないません。
人を育てるのは、人間の生の声なのだと、改めて感じました。
お父さん、お母さんの生の声こそ、最良の教科書なのです。
「自分の頃と、今の子どもの勉強は違うから」などと遠慮してはいけません。
お父さん、お母さんの生の声を、自信を持って、お子さんに伝えてください。