インタビューの前に楽しむ、友達になる(修学旅行3)
東京での修学旅行は、国会議事堂をはじめ色々な場所を見学しますが、今回の学習の中心は、8時間のディズニーランドと2時間の芸人さんとの交流です。
どちらも主な目的は、そこに働く人に自ら接することです。
ディズニーランドには、家族で行くこともあると思いますが、家族で行く時には、キャスト(ディズニーランドでは従業員をこう呼んでいます)に、子ども一人で話しかけたり、キャストの働く様子をじっくり見ることは、ほとんどないでしょう。
そこが、学校行事と家族旅行の違う所ですが、修学旅行のディズニーランド滞在時間が3、4時間では、子どもたちはアトラクションを楽しんだり、お土産を買うのに忙しくて、キャストの様子を見たり、キャストと話したりする余裕は生まれません。
以前、修学旅行で、カリブの海賊に5回入った子が、「3回目までは楽しすぎて、勉強のことを忘れていた。4回目と5回目は余裕ができてキャストの様子がよくわかった」と言っています。
3時間ほどの滞在では、これは無理です。
ディズニーのホスピタリティを学ぶという授業を考えている学校はたくさんあるようです。
時々、メモをしながらキャストと話をしている小学生を見ることがあります。
先日、その様子を見ていたら、インタビューを終わってキャストと別れた小学生が、ノートをカバンにしまって「やったー。これで、今から楽しめる」と言うのを聞きました。
この子にとっては、ディズニーで楽しむことと勉強することは、全く別のことだったようです。
これでは、何を学んでいるのか、わからなくなります。
ディズニーは楽しい→何故こんなに楽しいのだろう→キャストやパークの秘密を見つけよう…こんな思考の流れの中から生まれた学習は、深く心に刻まれます。
家族で何かをして「学ばせたい」と思った時も、親だけがあせって、「何か、わかった?」といきなり聞いてはいけません。
まず、何よりも、それを十分楽しむことが大事です。
楽しかったことは、自然に探求したくなるものです。
学ばせたい時には、まず家族全員で、それを楽しんでみてください。
また、今回、ディズニーランドでは、メモをとりながらキャストから話を聞くことを禁止しました。
ディズニーリゾートは、とても親切で、こちらが質問すると、どんな人にも丁寧に答えてくれます。
しかし、「好きな人」と「そうではない人」に話す内容は、自ずから変わってくるものです。
それで、子どもたちには、まず、キャストと仲良くなりなさいと伝えました。
頑張って、それを実践した子どもたちは、「キャストさんの名前も覚えたよ」、「キャストさんと友達になったよ」と報告してくれました。