夏休みの楽しみ

 Aさんが夏休みの楽しみを日記に書いてきました。

 Aさんは、おばあさんのお墓参り、東京で初めて見るミュージカルが夏休みの楽しみだそうです。

それだけではなく、Aさんは、毎朝ラジオ体操に行って、30回以上続けることも楽しみだそうです。

今年の夏休みはとても短いので、30回以上を達成するために、夏休みが始まる前の今週から、ラジオ体操に行き始めたようです。

Aさんが、この3つのことを楽しみにしていることは、とても重要な意味があると私は思いました。

 それは、Aさんが、「ちょっと(時間的に)遠いけど、大きくて特別な楽しみ」と「毎日こつこつと積み重ねる楽しみ」の2つを同時に持っている、ということです。

人間が、生き生きと豊かな人生を送るのに、この2つの楽しみを持っていることは、とても重要だと思います。

 大きな夢を持ちなさい、と言われます。

遠くに大きな夢があれば、当然わくわくします。

また、日々の行動も、その夢に向かう道からはずれていないかが基準になるので、毎日が充実してくるでしょう。

 でも、人間というのは、なかなか強い心を維持できないので、遠い夢だけでは、時々疲れてしまいます。

そんな時、小さなことでも、毎日楽しいことがあれば、くじけずに歩けます。

大きな夢の道でくじけそうになっても、小さなことを楽しみながら歩き続けると、くじけていた夢の道の歩き方も、元気に復活します。

子ども達には、日頃、「自分の行動で迷った時は、今の自分と未来の自分、両方が喜ぶことを選びなさい」と言っています。

 お子さんの夏休みの楽しみは何でしょう。

「夏休みの宿題は何と何?」とこわい声で聞く前に、「何が楽しみ?」とやさしく聞いてやってくださいね。

 Aさんへの私からのアドバイスは、

 「おばあさんの所に行くこと、初めてのミュージカル、どちらも、心と体全部で楽しんできてください。

ラジオ体操では、30回のことよりも、今日はどんな人が体操に来ているかな、

どんな人と出会えるかな、と毎朝楽しみに行くことを大事にしてください。

1回1回が楽しいと、知らないうちに30回を超えます。」


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