小学生の武器となるもの
入学式では、いろいろな子が見られます。
大人の椅子に座っているので足が床に届かないのですが、その足を、ずっとぶらぶらさせている子と、全く足を動かさない子。
最初はよい姿勢だったのに、だんだん崩れてくる子と、最後までよい姿勢を保てた子。
世話係の6年生の呼びかけに、元気に応える子と、お母さんの陰に隠れてしまう子。
同じ1年生とはいっても、誕生日に1年の差があるのですから、いろいろあって当然です。
その中で、これは、これから勉強する時に大事になる、ということをいくつか見つけました。
一つ目は、お腹から出る強い声の返事です。
お腹の力を使って、きれいではっきりとした返事ができる子は、これから脳の働きが、どんどんよくなっていきます。
口の中で、「もごもご」と声を出すのとは違い、お腹から声が出ているのは、お腹や顎、その他の筋肉をきちんと使えている証拠です。
体の各部の動きは、脳の働きと密接に結びついているので、お腹の底から、きれいな返事ができる子は、それだけで、才能があるといってもよいと思います。
二つ目は、笑顔です。
6年生や先生から話しかけられた時に、にっこりと素敵な笑顔で対応できる子が何人もいました。
こういう子には、上級生も先生も、何かを熱心に教えたくなります。
ですから、笑顔になれない子の何倍も多く、いろいろなことを学ぶチャンスをつかむことができます。
自然に、さっと笑顔になれることは、大人になっても役に立つ、大事な力です。
三つ目は、言葉に対して動作が機敏なことです。
「立ちましょう」「座りましょう」「一同礼」など、言われたことをすぐに実行できる子は、周りを見ながら、恐る恐る動く子と違い、耳が発達しています。
人の言うことを注意深く聞き、さらに興味深く聴くことは、小学校の4年生までの学習では、特に大事なことです。
お子さんは、今、この3つの「武器」のうち、いくつを持っていますか。
この3つに着目して、一度お子さんの様子を見てください。