大事な基礎は1年生の時に
東京オリンピックの時にドイツから来たクラマーさんは、日本代表に徹底的に基礎練習をやらせたそうです。
最初は、「なぜ代表の自分が、こんな子どものやるようなことをしなければいけないのか」と言っていた選手もいたようですが、やがて、その徹底した基礎練習は、オリンピック3位という花を咲かせます。
学校で学ぶ時の基礎は、1年生の時に教わります。
正しい姿勢や正しい鉛筆の持ち方を、徹底的に身につけると、高学年になっても、集中力が長続きするようになります。
肩と手首に余分な力が入らないので、体全体がリラックスしていて、脳の集中力が持続するからです。
平仮名を徹底的に鍛えられた子は、高学年になってノートをとる時に、自分の字が好きなので、良いノートを作ります。
ノートは未来の自分へのプレゼントです。
ノートが美しい子は勉強ができるようになります。
机の中の整理を徹底的に鍛えられた子は、物事を整理して考える力が身につき、それが高学年になった時、大きな力を発揮します。
算数では、問題を解く時に、言葉と式と図がリンクしていることが重要になりますが、整理上手な子は、図が頭の中に上手にかけるようになります。
たし算、ひき算を1年生の時に徹底的に鍛えられた子は、4年生以降、そうでなかった子に大きな差をつけています。
これらのことは、高学年で有利なばかりでなく、一生の宝物でもあります。
ですから、1年生の時に、先生に厳しく徹底的に身につけさせてもらった子は、とても幸せです。
「学校って楽しいはずなのに、1年生の先生が厳しくて、おかしい」と言う親がいたら、その家の子は不幸です。
1年生の時に苦労して高学年になってから得をするか、1年生の時に楽をして高学年になってから苦しむかは、「アリとキリギリス」と同様ですから、子どもにはキリギリスの生き方をさせたいという人生観を持っている人なら、それはそれでいいのですが、早いうちに身につけたほうが、短期間で身につくし、後の効果は、その分、大きくなることは確かです。
高学年になってから基礎が大事だと気づいた場合は、恥ずかしさや面倒くささを捨てて、1年生(もしくは、それを学習した年)に戻ることが重要です。
戻るのが遅れるほど習得に時間がかかることは確かですが、戻ってやり直そうと本気で取り組めば、必ず、それは身について、後で役に立つことになります。
ちなみに、私は、箸や鉛筆を正しく持てるようになったのが22歳、平仮名が上手にかけるようになったのが23歳です。
今、人前で字を書いたり、食事をしたりするのが恥ずかしくないのは、この時、小学校1年生になったつもりで、人に教えてもらったからです。