口と手で考える

 最近、教室で、よくかける言葉は、「口と手で考えろ」です。

 考えるというのは、どういう状態をいうのでしょうか。

・自己内対話をしている

・映像を言葉に、言葉を映像に変換している

という2つの働きを脳がしている時、考えている状態にあると、私は考えています。

 沈思黙考という言葉があるように、大人は黙って、その作業を行います。

でも、子どもは、その技術が未熟です。ですから、それを口と手で補う必要があります。

 自己内対話を補うのは、他の人とのおしゃべりです。

おしゃべりをすると、他の人の考え方を得ることができるし、自分の考えの価値を判断することもできます。

また、実際に、口と耳を使って対話することで、脳内の自己内対話の技術も上がるでしょう。

 鉛筆を持ち、ノートにメモをしたり、絵を描いたりすることで、脳内の映像と言葉の変換を補うことができます。

みんなでメモをしながらブレーンストーミングを行うと、脳を、より効率的に働かせることができるかもしれません。

 沈思黙考がベストである12歳もいるかもしれませんが、今、見ている限りでは、6年生でも「ノートを開き、鉛筆を持って、誰かが正式に指名されるまで、しゃべり続けて考える」ことが必要だと思います。

 家族でも、時々、これを意識して、会話をしてみてみませんか。

例えば、次の家族旅行の計画を立てる時、テーブルに大きな紙を広げ、みんなでペンを持って、わいわい楽しく話し合ってみるのも、よいかもしれません。


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