祖霊を送る巴川の灯篭流し

灯篭流しは、お盆の終わる日の夕方、小さな灯篭を川や海に浮かべて火をつけて流す夏の風物詩です。

ここ、静岡市の西から東へと横断して流れる巴川では、清水銀座商店街などが音頭をとり河口近くの稚児橋を中心に、7/16(土)の夕方、灯篭流しが行われ浴衣姿の市民らでにぎわいました。

各地の灯篭流しは、麦わらを編んで舟形にしてロウソクを立てる昔ながらのものやボンボリ型などさまざまな灯篭が、お盆の供物を乗せて流されます。


この伝承は、お盆に「この世に戻ってきた先祖の霊」を海や川に送り帰すという行事で、お盆の「迎え火、送り火」と共に親しまれている習俗です。


ここ、巴川では、竹ひごを紙のボンボリで包んだ独自の灯篭が流されました。


町の世話人さんの話では「巴川の灯篭流しも、江戸時代から続いていますが戦時中や水害時などの中止をへて、昭和51年に4回目の復活をし、年々にぎやかさを増している」ということです。

巴川の灯篭流しは、下流の2箇所でもあり、およそ2000個が流されました。



幻想的な明かりは川面を彩り、幽玄なひとときを醸しだしていましたが、川岸では水辺のコンサートも開かれ、音樂との競演も楽しみました。


「私たちは、皆さんに夏の夜の夢を楽しんでいただきますが川を汚さないために、川下で灯篭を回収するのです」と苦労も話してくれました。

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