DISCOGRAPHY Part 1 (1970 - 1982) |
1 |
蓄音盤 |
1970 |
★★★ |
1970年にバックに鈴木慶一・細野晴臣氏等が参加し,自主製作盤としてリリースされたデビュー・アルバムで,1997年に復刻版 LP ,1999年に CD ,2007年にデジタル・リマスターの形でリイシューされました.『泣き虫パンク幼年期』という最新盤 CD の帯の歌い文句には笑えましたが,言い得て妙だと思います.全8曲中,6曲がオリジナルで,あとの2曲は早川義夫『もてない男たちのうた』, Bob Dylan 『ハッティキャロルの淋しい死』のカヴァーですが,特に後者は秀逸だと思います. |
|||
2 |
赤色エレジー うた絵本 |
1971 |
★★★ |
1971にやはり自主制作盤としてリリースされた『うた・あがた森魚,絵・林静一』によるシングル+絵本で,B面は『清怨夜曲(一郎の唄&幸子のタンゴ)』.2011年に復刻版 CD としてリイシューされました. |
|||
3 |
乙女の儚夢 |
1972 |
★★★★ |
よしだたくろう氏の『結婚しようよ』の大ヒットにより,空前のニュー・フォーク・ブームが巻き起こった1972年にやはりヒットを記録した『赤色エレジー』を含むメジャー・デビュー・アルバム.『赤色エレジー』に関しては,シングルと別ヴァージョンですが,当時の他の生活を歌ったいわゆる『フォーク・シンガー』とは一線を画した独自の世界を打ち出したコンセプト・アルバムとなっており,『大正ロマン』などと呼ばれておりました.なんで『大正』なんだろね? |
|||
4 |
噫無情 (レ・ミゼラブル) |
1974 |
★★★★★ |
日本 Rock 史上に残るコンセプト・アルバムの傑作だと思います.後の『日本少年』(7)を「日本の SGT. Pepper`s」と評する向きもあるようですが,どちらかというとこちらの方が先に聴き込んだこともあって好みなのです.トップの『蒲田行進曲』をはじめ,『上海リル』,『モンテカルロ珈琲店(小さな喫茶店)』,そしてはっぴいえんどの『はいからはくち』と有名曲のカヴァーを多数収録していますが,それらの名曲をアルバムのマテリアルとして完全に消化してしまっているのは,やはりプロデューサー松本隆氏の功績でしょうね,オリジナル曲も『永遠のマドンナK』,『組曲・噫無情』,『最午のダンス・ステップ(昭和柔侠伝の唄)』と粒ぞろいですし,鈴木博文氏の『大寒町』は名曲中の名曲だと思います.そしてさらには my favorite actress 緑魔子さんの参加にトドメをさされました. |
|||
5 |
あがた森魚 ベスト 20 |
1974 |
- |
Bellwood よりリリースされたされた初のコンピレーション. |
|||
6 |
僕は天使ぢゃないよ/あがた森魚・大瀧詠一 |
1975 |
★★★★ |
あがたさんの製作・脚色・監督・音楽・主演映画『僕は天使じゃないよ』のオリジナル・サウンドトラック・アルバムであると同時に,いわゆる『大正ロマン三部作』のラストを飾る作品.かねてよりの念願だった『赤色エレジー』の映画化という事もあって,力入ってます.あがたさんの『乙女の浪漫』・『清怨夜曲』・『赤色エレジー』,大瀧さんの『びんぼう』・『それはぼくぢゃないよ』・『乱れ髪』はもとより,何と言っても,あがたさんの個性とティンパン・アレーのサウンドが妙にマッチしているタイトル曲『僕は天使ぢゃないよ』は,やはり名曲だと思います.でも何で『大正』なのか? |
7 |
日本少年 (ヂパング・ボーイ) |
1976 |
★★★ |
『大正ロマン三部作』に続く2LP の大作で,巷では『あがた版サージェント・ペパーズ』として評判の高い作品なのですが,正直なところ『乙女の儚夢』(2)・『噫無情』(3)を初めて聴いたときほどの衝撃は感じませんでした.あがたさんの創作意欲と作品作りに対する意気込みは感じられるのですが,「今さらコンセプト・アルバム?」って気がしましたし,やはりLP2枚組は冗長すぎるような気もしました.それで,お気に入りはプレスリーの『つめたくしないで』をパロった『つめたく冷やして』と,それに続く『山田長政』,ところどころに聴かれる『噫無情』からの引用だったりするのです.ごめんなさい. |
|||
8 |
君のこと好きなんだ. |
1977 |
★★★ |
前回の大作主義から一変して,早川義夫さんの『サルビアの花』・『いい娘だね』,浜口庫之助さんの『僕はないちっち』をフィーチュアした,コンパクトなアルバム.この人の音楽活動がかなり早川氏の作品によってインスパイアされたものである事はあきらかだと思いますが,この人の歌う『サルビア』は,その声質もあいまって早川さんの思いつめたような暗さとは別の味わいがあると思います.この曲に関しては,以前もとまろや岩渕リリら女性陣によるカヴァーがヒットしたこともあって,世間的にはかなり誤解されている曲なんですが,実際のところ早川氏の弁を待つまでもなく,本来的には男性にしか歌えない唄であると思います.あがたさんはまた新しい解釈で,この曲を自分のモノにしています.ところで,このアルバムでは名前が『アガタ・モリオ』と,何故かカタカナ表記になっています. |
|||
|
少年洋菓 永遠の遠国 |
1978 |
未入手 |
限定版『永遠の遠国』(16)予約者のみに配布された特別編集抄録盤だそーです.未入手でしたが,2013年に『あがた森魚の世界史 #2』(60)としてめでたくCDリイシューされました. |
|||
10 |
乗物図鑑 |
1980 |
★★★★ |
インディー・レーベル『ヴァニティ』で制作された,何故かパンクに目覚め,転換期を迎えたあがた氏の '80年代へのステップを踏み出す第1歩となった記念すべき作品. |
|||
11 |
VIRGIN VS VIRGIN / VIRGIN VS |
1981 |
★★★★ |
A児と化したあがた氏が結成したニュー・ウェーブ・バンド Virgin VS のファースト・アルバム.当時はあがた氏とパンクって意外な取り合わせだと思ったのですが,いま聴いてみて全く違和感感じません. |
|||
12 |
アーリー あがた森魚&はちみつぱい |
1982 |
- |
Bellwood よりリリースされた変則コンピレーション.アナログA面にあがたさん,B面にはちみつぱいの作品が収録されています. |