Alice Cooper


DISCOGRAPHY Part 2 (1971 - 1977)



13

Love it to death

1971

★★★★

 プロデューサーに Bob Ezrin さんを迎え,メジャーの Warner Brothers との契約を結んでの第1弾.以前のアンダーグラウンド性は影を潜め,かなりコマーシャルでストレートなロック・ミュージックを展開しております.メンバー全員による表題曲をはじめ, Michael Bruce さんの "Caught in a Dream" , Dennis Dunaway さんの "Black Juju" , Neal Smith さんの "Hallowed Be My Name" と各メンバーの個性豊かな作品がバランスよく配置され,ソング・ライティングにおいても優れたバンドだったことを証明しております.シングル・カットされた "I'm Eighteen" (後に "18" と改題とゆ〜か,いつの間にかそ〜なった)のヒットにより,スターダムへのし上がっていくのですが,日本では某雑誌の紹介記事に『ホモホモ・ロック』などという書き方されて,完全にゲテモノ扱いされておりました.

14

Killer

1971

★★★★★

 Shock Rock を標榜していたバンド "ALICE COOPER" の性格が最も端的にあらわれているアルバムで,メッセージ色の強い内容を持っています.当時のステージでは Alice さんの首つりが売物で,このアルバムの内ジャケにその首吊り写真カレンダーがフロクとして付いてました.このアルバムに収録されている "Dead Babies" で赤ちゃんの人形を切り刻んだ Alice さんが続く "Killer" で絞首台に吊るされるといったのがお決まりのパターンだったみたいです.ジャケットの写真は当時の Alice さん(Neal Smith さんという説もある)の愛蛇で名前は『チチタ』とか『カチータ』とか....? 1973年に発行された "ROCK NOW" (立風書房) 「あなたにとってロックとは」の中で,頭脳警察のパンタ氏が Rock Record Best 1 にあげていました.

15

SCHOOL'S OUT

1972

★★★★

 ステージに演劇的要素を加味していたバンド "ALICE COOPER" が,アルバム作りにも映画制作的な方法論を持ち込んだアプローチをした作品ですが,それよりもむしろ,『学校なんかやめちまえ,汚い先公もうたくさん』と歌い,全米のこわ〜いお母様方を震撼させたというタイトル曲のヒットで有名です.しかしこんな事が大きな話題になったという事自体,平和な時代だったわけですが... アナログ盤では,学校机をかたどったジャケットに紙パンティに包まれたディスクで,これまた話題を呼びました.

16

HOT MENU '73
The Best Of Warner/Reprise/Atlantic

1973

-

 日本のワーナーパイオニアから当時破格の2枚組 ¥980 でリリースされた SAMPLER LP.2LPの1枚目 Side-A トップに次作 "BILLION DOLLAR BABIES" の先行シングルでヒット中だった "Elected" が収録されており,日本ワーナーがそのプロモーションに力を入れていたことが窺われますが,それよりもこのアルバム, David Bowie さんの "The Man Who Sold the World" と一緒に購入した初めての洋楽アルバムだったので,思い入れ深いのです.

17

BILLION DOLLAR BABIES

1973

★★★★★

 前作 "School's 0ut" の大ヒットにより,絶頂期を迎えたバンド "ALICE COOPER" の最高傑作. "Elected" (邦題「アリスは大統領」苦笑) ・ "Hello Hooray" ・ "No More Mr. Nice Guy" ・ "Billion Dollar Babies" の最多4曲のシングル ・ ヒットを含む,が...この後バンドは分裂へと向かって行くのです.今回のジャケットはヘビ皮の財布の形をしていて,中にメンバーの写真入りの10億ドル札がオマケとしてついておりました.リリース当時, Marc Bolan さんがギターで参加しているというので話題になり日本盤の帯にも記されていましたが,現在ではそのような記録は残っていないみたいです.デマだったのかしら? でもファン・クラブの会報で, Alice & Marc のツーショット見た記憶があるのですが?

18

MUSCLE OF LOVE

1973

★★★★

 分裂を迎えようとしていたバンド "ALICE COOPER" のラスト・アルバムですが,完成された上質のアメリカン・ハード・ロックを聴かせてくれる作品です.トップの "Big Apple Dreamin' (Hippo)" とそれに続く "Never Been Sold Before" は彼等の最高傑作だと思います.それだけに,解散がすご〜く残念でした.ジャケットに凝ることでも有名な彼等でしたが,今回のジャケットはアナログ盤ではカートン・ジャケットでした.




19

Alice Cooper's Greatest Hits

1974

-

 バンド "ALICE COOPER" のワーナー時代の5枚のアルバムからのベスト盤.内訳は "Love It to Death" ・ "Killer" ・ "School's Out" ・ "Muscle of Love" から各2曲と "Billion Dollars Babies" からの4曲で,シングル・ヒット中心に構成されています.ま,それはそれで良いのですが,バンド "ALICE COOPER" の音楽性から選ぶとしたら, "Killer" の "Dead Babies" と "Killer" , "Muscle of Love" の "Big Apple Dreamin' (Hippo)" と "Never Been Sold Before" も収録してほしかったです.CD 時代だったらそれも可能だったのですが.

20

FLASH FEARLESS
VERSUS THE ZORG WOMAN PARTS 5 & 6

1975

-

  オリジナル・アルバム未収録の "I'M FLASH" と "SPACE PIRATES" の2曲を収録. The Who の John Entwistle さんや Keith Moon さん,他に Bill Brudford さんや Nicky Hopikins さんといった面々がバックを務めています,後に Box Set "the LIFE AND CRIME of ALICE COOPER" に収録されており,多分バンドを離れた ALICE さんの初のソロ・レコーディングという位置づけになるのではないか?と思われます.

21

WELCOME TO MY NIGHTMARE

1975

★★★★★

 Alice Cooper さんのソロ第1作.バンド時代から陰のギタリストとして関わっていた Dick Wagner さん,Steve Hunter さんの2名を正式メンバーに迎えた Alice 嬢は以後アルコール依存症となり,毎日ジャック・ダニエルを2本ずつあけながら,何故か甘く切ないバラードをヒット・チャートに送り込んでいくのでした????? 作品は同名のTV番組のサウンドトラックでもあり,悪夢をテーマにしたシアトリカルなコンセプト・アルバムで,当時のステージではほとんど全曲が演奏されていたようです.シングル・カットされた "Only Woman Bleed" が大ヒットし,この後しばらくの間,スロー・バラードのシングル・ヒットが続きます.

22

Alice Cooper Goes to Hell

1976

★★★★

 このアルバムからは "I Never Cry" がシングル・カットされ,初の RIAA 公認ミリオン・セラーを記録.バンド時代のシャープなロックンロールとは全く趣を異にしたスロー・バラードでヒット・チャートの常連となり,バンドからの独立は大成功であったかのように思われましたが,その反面,かつての支持者からは批判の声もあがり始めていました.当の Alice 嬢は...飲んだくれていたようです.

23

LACE AND WHISKEY

1977

★★★★

 このアルバムからシングル・カットされた "You And Me" が Alice 嬢のバラード路線の中でも最高の全米第8位のビッグ・ヒットとなり,ソロ・シンガーとしての地位を不動のものにしたとも言えます.アルバムもハードボイルドのペーパーバックの体裁でこれは...?と思わせました.また,この頃から Alice 嬢は真剣にアルコール依存症の治療に取り組んでいた模様です.

24

THE ALICE COOPER SHOW

1977

★★★

 バンド時代から待ちに待たれた Alice 嬢のライブ・アルバムでしたが,少々中途半端な感じがして残念でした.1度でいいからバンド時代のステージを見てみたかったと思ったファンは多かったはずです.実はバンド時代に1回だけ Alice は単独で来日してますが,他のメンバーは来なかったし,ファンへの挨拶が1度おこなわれただけで公演もありませんでした.