Marc Bolan & T.REX


DISCOGRAPHY Part 1-01 (Original Albums 1968 - 1977)



1

My people were fair and had sky in their hair...
But now they're content to wear stars on their brows

Tyrannosaurus Rex

1968
★★★★★

  本格的に音楽聴き始めたり,レコ集めたりし始めたのが,1972年だったのですが,この年日本のヒット・チャートを席巻していたのが,国内のアーティストではよしだたくろう,海外のアーティストでは T. Rex だったわけで,この両者は私にとってはその後ず〜っと音楽にはまる原因となった戦犯なのです.当時日曜日の朝やってたラジオのベストテン番組(名前は忘れた)で,『テレグラム・サム』・『メタル・グゥルー』を聴いて,とにかくカッコいいって思って,まずはシングルから買い集めました.そして,もちろん T.Rex から遡ってこのアルバムを聴いたわけですが,最初に聴いたとき,何が何だかわからんけど凄いと思いました.でも,聴けば聴くほどハマっていくヘンな魅力があって, Bolan 氏独特のヴァイブレーションとアコスティック・ギターとパーカッションの醸し出す雰囲気は,ひとつの小宇宙を形成しているかのような感がしました.ここに収録されている曲の中では, 比較的わかりやすい "Hot Rod Mama" ・ "Child Star" ・ "Strange Orchestra" ・ "Mustang Ford" あたりが好みなのです.

2

PROPHETS, SEERS & SAGES
THE ANGELS OF THE AGES

Tyrannosaurus Rex

1968
★★★★★

 前作に引き続き,アコースティック・ギターとパーカッションのサウンドおよび難解な詩で摩訶不思議な世界を堪能させてくれる作品で,個人的には一番良く聴く Tyrannosaurus Rex のアルバムです.ラジオで耳にした T. Rex のシングル曲のカッコ良さに打ちのめされて,当時中学生でお金があまりなかったので,シングルから買い集めていったのですが,その頃 Tyrannosaurus Rex 名義のシングルで再発リリースされていたのが『デボラ』でした.最初は一連の T. Rex のブギ・ヒットとはあまりに違った雰囲気を持つこの曲を聴いて,「何じゃこりゃ〜」と思ったものでしたが,聴き続けていくうちに何かしらんけどハマって行きました.アルバムとしては, やはり"The Slider" ・ "Electric Warrior" ・ "T. Rex" と遡って聴いていった後,やはり当時日本でリリースされていた Tyranosaurrus Rex の 2nd & 1st のカップリング 2LP を聴いたのですが, T.Rex とは違った妖しい魅力に次第にハマっていったのでした. Tyrannosaurus Rex のサウンドについては,『麻薬のような魅力』が明らかに存在していたと思います.故植草甚一さんでしたか,「 '70年代は麻薬のような時代だった」という名言がありますが,その時代を作りだしていったのは,やはり '60年代末期に次々に現われたアーティストとその優れた作品たちだったと思うのです.ここに収録されている曲の中では, "Deboraarobed" ・ "Stacy Grove" ・ "Saramanda Paraganda" ・ "Eastern Spell" あたりが好みなのですが,再発テイチクCD で "Deboraarobed" の邦題が『デボララボデ』となっていたのには「???」でした.

3

UNICORN
Tyrannosaurus Rex

1969
★★★★

 このアルバムを最後に Steve Took さんと訣別.ここに収録されている曲の中では,何と言っても "Catblack (the witherd's hat)" と "She was born to be my Unicorn" の2曲.「凄い曲作るな〜」って思いましたね.

4

A BEARD OF STARS
Tyrannosaurus Rex

1970
★★★★

 Steve さんをクビにした後,Micky Finn さんを新しいパートナーに迎え,エレクトリック・サウンドを導入した Tyrannosaurus Rex としてのラスト・アルバムですが,気分はもう T.Rex.収録されている曲の中では, "Woodland Bap","By the Light of a Magical Moon","Dove" そして何と言っても "Elemental Child",そのエンディングが最高にカッコよかったと思います.

5

T-REX
T. Rex

1970
★★★★

 グループ名を短縮(簡略化?)した Marc & Micky の最強のコンビによる2作目.サウンド的にもまだ Tyrannnsaurus 時代の影を引きずってはいるものの,数段ポップになっており,この後の熱狂的なブームを予感させる作品です.事実,このアルバムに先行してリリースされたシングル "Ride a White Swan" が U.K.チャートの第2位に輝き,続いてリリースされたシングル "Hot Love" は当然のように 第1位を獲得.以後10枚連続の U.K. チャート Top 5 入りという偉業を達成します.しかしながら, Bolan 氏には,シングルとアルバムの制作は別のモノとするポリシーがあったようで,両曲ともこのアルバムには収録されておりません.個人的に好きなのは, "Jewel" と "Beltane Walk" .なお, Tyrannosaurus Rex 時代の "One Inch Rock" 及びソロ時代の "The Wizard" が新録で収録されています.

6

ELECTRIC WARRIOR
T. Rex

1971
★★★★★

 Steve Currie (b) と Bill Legend (ds) を加えて4人編成となった T.Rex そして Marc Bolan のロック史上燦然と輝く最高傑作.このアルバムでは,3・4枚目の U.K. チャート Top 5 入りシングルとなった "Get It On"(第1位)と "Jeepster"(第2位)の2曲が収録されておりますが,後者はレーベルが無断でシングル・カットを行ったとして, Bolan 氏が激しく抗議しております.両曲とも Bolan Boogie を代表する名曲ですが,それにもまして素晴らしいのが, "Cosmic Dancer" ・ "Planet Queen" ・ "Girl" ・ "Life is Gas" といった一連の Bolan Ballad の名曲たちで, 先述の2曲やラストの "Rip off" の攻撃性・破壊力と好一対をなしており,結果構成力という点において,全アルバムの中でも最高の出来となっております.




7

THE SLIDER
T. Rex

1972
★★★★★

 David Bowie さんの "Ziggy Stardust" と並び称されるグラムの名盤です.この頃日本でも最高潮の人気を誇り,初来日を果たしました.個人的には, "Ballrooms Of Mars" が Marc Bolan 先生の最高の名曲だと思うのですが... オリジナルは見開きジャケ,日本初回発売時はポスターとブックレットが付いていました.このアルバムにも5・6枚目の U.K. チャート Top 5 入りシングルとなった "Telegram Sam" ・ "Metal Guru"(ともに第1位)の2曲が収録されていた事もあって,日本でも洋楽アルバムとしては The Beatles 以来の売り上げを記録したらしいです.また Ringo Star 氏撮影と言われていたジャケットも評判となり,かまやつひろし氏が 3rd Album のジャケットでパクっている他,一般的にもファッション・アイテムとしてこのジャケットを持ち歩くのが流行ったりもしました.

8

TANX
T. Rex

1973
★★★★

 このアルバムと前後して,彼等にとって7〜10枚目の U.K. チャート Top 5 入りシングルとなった "Chirdren of the Revolution"(第2位), "Solid Gold Easy Action"(第2位), "20th Century Boy"(第3位), "The Groover"(第4位)の4曲がリリースされ,ヒットしておりました.にも関わらず,意図してこれらのシングル・ヒットを収めなかった問題作で,そのせいもあって前2作にくらべて渋く地味な印象を受けますが,特にブーム以降のファンに根強い人気を持つ作品です.この後2度目の来日を果たしますが,ブームは沈静化していきます.日本初回発売時はポスターとブックレットが付いていました.

9

Zinc Alloy & The Hidden Riders of Tomorrow
or a Creamed Cage in August

Marc Bolan & T. Rex

1974
★★★★

 T. Rex の全アルバム中,この作品だけクレジットが Marc Bolan & T. Rex となっております.このあたりから人気にかげりが見え始め,私もこのアルバム買い忘れてて,探したときには輸入盤で30000円もの値段がついてました(結局,2枚持ってた友達に譲ってもらいました).オリジナルは見開きジャケ,日本初回発売時はポスターとブックレットが付いていました.10枚の U.K. チャート Top 5 入りシングルの後,Marc Bolan with Big Currot 名義でリリースされた "Blackjack" をはさんでリリースされたシングル "Track on (Tyke)" はチャート第12位と,初の Top 10 圏外の成績に終わってしまい,以後ヒット曲に恵まれなくなってしまうのですが, Bolan 氏は当初 "Track on (Tyke)" と,このアルバムのトップを飾る "Venus Loon" のどちらを次のシングルにするか悩んでいたらしいです.また,次のシングルとしてリリースされた "Teenage Dream" は成績こそ第13位に終わりましたが, Bolan Ballad の不朽の名曲です. Bolan 氏にとって不幸だったのは,それまでのシングル・ヒットの評価が高すぎたため, T.Rex がアルバム・アーティストとして評価が低かった点にあると思うのですがいかがでしょう? このアルバム以降のすべてのアルバムは,もっと評価されて良かったと思うよ.

10

BOLAN'S ZIP-GUN
T. Rex

1975
★★★★

 Bolan 氏低迷期の作品.この時期のシングル曲も "Light of Love" が第22位, "Zip Gun Boogie" が第41位と,さらにランクを下げておりました.そのためか,非常に地味でめだたない印象を与えますが,実は "Till Dawn" ・"Think Zink" 等隠れた名曲が多いアルバムでもあります.また,この時期, The Rolling Stones ・ Led Zeppelin ・ Emerson, Lake & Palmer 等のビッグ・ネームは税金対策のため,フランス等海外に移住しておりましたが, Bolan 氏もモンテ・カルロに逃れており,このアルバムを初の海外録音としてハリウッドで制作しております.さらに,長年 T.Rex のプロデュースを担当してきた Tony Visconti 氏と前作で訣別し,今回は Bolan 氏自身がプロデュースを行っている等,マンネリ・低迷を脱するための試行錯誤がなされているのですが,成功したとは言えず,この作品を最後に Micky Finn 氏とも別れてしまいました.オリジナルは穴あき変型ジャケ.

11

Futuristic Dragon
T. Rex

1976
★★★★★

 従来の T.Rex サウンドから脱皮して,新局面を打ち出そうとした Bolan 氏の意欲作.そのためか T.Rex の全アルバム中最も派手な印象を受けたアルバムでした.しかしながら,この時期にリリースされたシングルも,アルバムに収録されている "New York City" が第15位, "Dreamy Lady" が第30位,その後リリースされた "London Boys" も第40位と,いずれも Bolan 氏としては不本意な成績に終わっております.

12

DANDY IN THE UNDERWORLD
T. Rex

1977
★★★★★

 新生 T.Rex による再起をかけたこの大傑作は,結局 Bolan 氏の遺作となってしまいました.アルバムの出来自体 "Erectric Warrior" 以来の素晴らしさだったのに... オリジナルは穴あき変型ジャケ.この時期のシングル曲は, "I Love to Boogie" が第13位,アルバム未収録の "Lasor Love" が第41位, "The Soul of My Suit" が第42位を記録している他,その後も Bolan 氏の死と前後して, "Dandy in the Underworld" ・ "Celebrate Summer"(アルバム未収録) ・ "Crimson Moon" がリリースされております.個人的に大好きなのは,ラストを飾る "Teen Riot Structure" なのでした.