Carly Simon

Discography Part 1(1971 - 1979)

1
Carly Simon

1971

★★★
 Linda Ronstadt さんの一連の作品で有名な Peter Asher さんが,それ以前にプロデュースした 1st Album.全10曲中7曲が Carly さん自身のペンによるもの(うち2曲は共作)の,やはりこの年のグラミー賞最優秀新人賞を受賞したトップの "That's the Way I've Always Heard It Should Be"(Jacob Brackman 氏との共作,邦題:『幸福のノクターン』)が,群をぬいて良くできている印象を受けてしまうのは,仕方のないところかもしれません.

2
Anticipation

1971

★★★★
 元 The Yardbirds の Paul Samwell-Smith 氏プロデュースによる 2nd Album.今回は全10曲中,ラストの Kris Kristofferson 氏による "I've Got to Have You" 以外の9曲が彼女自身の作品(うち4曲は共作)ですが,アコースティック・ギター主体のフォーク・ナンバーが魅力的なアルバムです.トップのタイトル曲 "Anticipation" は,目立たないようですが名曲だと重います.

3
No Secrets

1972

★★★★★
 この1972年という年は,私が本格的に音楽を聴きはじめた年で,非常に思い入れの深い曲が多いのですが,このアルバムに収録されて大ヒットを記録した "You're So Vain"(邦題:『うつろな愛』)もそんな曲のひとつです.アルバムを入手したのはしばらく後になってからですが... 今回も全10曲中 James Taylor 氏の "Night Owl" 以外の9曲が彼女の作品(うち3曲は共作)ですが,明らかに前2作に比べて彼女の曲作りが格段に進歩しているのが感じられます.また,パーソネルを見ると Klaus Voorman ・ Jim Gordon ・ Jim Keltner ・ Nicky Hopkins ・ Lowell George ・ James Taylor ・ Paul Buckmaster ・ etc,そうそうたるメンバーがバックを勤めておりますが, "You're So Vain" で Backing Vocal をとっていると思われる Mick Jagger 氏の名前はどこにもクレジットされておりません.やはりマズかったのかしらん? プロデュースはこのアルバムから Richard Perry さんです.

4
 *Carly Simon

1973

★★★
 上記3タイトルからセレクトされた,日本編集ベスト・アルバム.内訳は "Carly Simun"  から7曲, "Anticipation" から8曲, "No Secrets" から8曲の計23曲ですが,3枚のオリジナル・アルバムから2枚組のベスト作るのって,暴挙だよね?

5
Hotcakes

1974

★★★
 夫君の James Taylor 氏とのデュエット曲 "Mockingbird"(邦題:『愛のモッキンバード』)に象徴される Carly さん幸福いっぱいの時期の作品.ジャケットのマタニティ姿が象徴している通り,最も女性らしい優しさを表面に打ち出したアルバムですが,幸福ボケか,つわりのせいか,いまひとつ凡庸さが目立つ作品でもあります.

 *Carly Simon

1974

★★★
 前年に続いてリリースされた日本編集2枚組ベスト.内訳は "Carly Simun"  から3曲, "Anticipation" から4曲, "No Secrets" から8曲, "Hotcakes" から9曲の計23曲

Playing Possum

1975

★★★★
 ぶじ出産を終えた Carly さんが.ぐ〜んと色っぽくなって姿を現した 5th Album.この1975年頃を境に, M.O.R. もしくは A.O.R. と呼ばれるジャンルが現れた(作られた)事もあって,次第に ROCK というジャンルが形骸化していくわけですが,この人の場合,良い意味での A.O.R. 化に成功した例だと思います.ジャケットも色っぽくて良いのですが,このジャケットと,同じ時期にリリースされた James Tailor さんの "Gorilla" のジャケットを並べて見ると,かなり笑えます.

 *The Best of Carly Simon

1975

★★★
 これまでにリリースされた5アルバムからセレクトされた,初のオフィシャル・ベスト・アルバム.内訳は "Carly Simon" から1曲, "Anticipation" から2曲, "No Secrets" から4曲, "Hotcakes" から2曲, "Playing Possum" から1曲の計10曲.

 *Carly Simon's Greatest Hits

1976

★★★
 こちらは日本編集のベスト・アルバムで,今回はシングル・アルバム.内訳は "Carly Simon" から1曲, "Anticipation" から2曲, "No Secrets" から5曲, "Hotcakes" から3曲の計11曲.

10
Another Passenger

1976

★★★
 The Doobie Brothers の一連の作品を手掛けてきた Ted Templeman 氏プロデュースによる6作目. Doobies の同年度のアルバム "Takin' It to the Street" に収録されていた Michael McDonald 氏作曲の "It Keeps You Runnin'" のカヴァーも収録されています.この年の Doobies といえば, Tom Johnston 氏脱退 McDonald 氏加入により,従来のストレートなサウンドから AOR 化していった時期ですが,その作風がやはり時期を同じくして AOR 化していった Carly さんにうまくマッチしていったという事でしょうか? バックには The Doobie Brothers の他に, Little Feat ・ Jackson Browne ・ Linda Ronstadt 等,そうそうたるメンバーが参加しております.

11
Boys in the Trees

1978

★★★★
 前回のお返しか, Carly さんと Michael McDnald 氏との共作で Doobies の前年度のアルバム "Livin' on the Fault Line" に収録されていた "You Belong to Me" をトップに配した7作目ですが,プロデュースは Arif Marden 氏に替っています. Doobies AOR 化の戦犯 McDonald 氏ですが,やはり同じく AOR 化した Carly さんとのコンビネーションは息もピッタリという感じ,多分相性が良かったのでしょう.また,サウンド的には AOR 化している一方で,久々に初期の Carly さんを髣髴とさせるようなアコースティックな音作りが目立つアルバムでもあります.

12
Spy

1979

★★★
 前作同様 Arif Marden 氏のプロデュースによる8作目ですが,前々作,前作の AOR 化とは一変,かなりストレートな ROCK へのアプローチを試みている作品で,こころのしか Carly さんの唱法もかなり今まで以上に力強いものになっている印象を受けるアルバムです.これって,この時期においては時代を逆行するようで,個人的には非常に喜ばしい傾向なのですが,ただ残念な事に,アルバム全体を通して聴いた場合,少々単調な感じがするのは否定できません.それはラストの大作 "Memorial Day" に関しても同様ですが,次作が期待される感じの作りになってます.