カルメン・マキ


DISCOGRAPHY Part 1 (1969 - 1979)



1
カルメン・マキ真夜中詩集〜ろうそくの消えるまで
1969
★★★
 構成と全曲の作詞を寺山修司氏が担当していますが,フォークルの『戦争は知らない』もそうだったんですね〜? どっかに「カルメン・マキのというより寺山修司のアルバム」みたいな書き方してありましたが,やはりカルメン・マキのアルバム以外の何物ではないと思います,当たり前か.... 曲と曲との間に挿入されているナレーションは今聴くとちょっと恥ずい....です.
2
アダムとイヴ
1969
★★★★
 『アダムとイヴ』をモチーフにしたこの作品ってコンセプト・アルバムだよね? この時期に日本でこんな作品が作られていとというのには,正直言って驚きました.
3
想い出にサヨナラ〜カルメン・マキ'70
1970
★★★
 アナログA面にGS,B面にはフォークの名曲それぞれ6曲を収録したカバー・アルバム.
4
初恋地獄篇
1970
 寺山修司『天井桟敷』レーベル第一回作品としてリリースされたこの作品は,35年を経た2005年になって CD 化されました.今聴くと,1970年という時代を痛切に感じると共に,この頃の若者たち(当時は『ヤング』って言ってましたね...死語)ってこんんなに幼稚だったのかなって思ってしまうのですが,考えてみれば,当時小学生だった私からしてみればこれが大人の世界だった訳だし,この頃の若者たちが現在の熟年・壮年・老年として,現在の私たちの上に君臨(?笑)しているわけですよね? ああ,恥ずかしいはずかしい... 年齢って何だろ? マキさんの歌う『かもめ』が収録されている他,小椋 佳 氏の多分ファースト・レコーディングでもあるらしいです.
5
想い出のカルメン・マキ
―ベスト・オブ・カルメン・マキ―
★★★
 初期ベスト・アルバム.収録曲の内訳は,『真夜中詩集』(1)から7曲,『想い出にサヨナラ』(3)から3曲と,シングル2曲で,『アダムとイヴ』(2)からは1曲も収録されていません.
6
CARMEN MAKI
BLUES CREATION
1971
★★★★
 カルメン・マキ ROCK 開眼? 私がこのアルバム買ったのは1975年頃だったと思うのですが,その頃日本のロック界(?)では,カルメン・マキ& OZ や竹田和夫率いるクリエイションの人気が最高潮にあったこともあって,すでに『歴史的名盤』扱いされておりました.たしか静岡市の河井楽器だったと思いますが,買おうと思って持っていったら,店員のおに〜さんに「素晴らしい!」と言われてしまいました? 一体あれは何だったのか? さて,肝腎の内容ですが,確かにこの時期の和製 ROCK のアルバムとしては最高の出来ではありますが,反面,日本が ROCK 後進国(発展途上国と言わなくてはイケナイ?)だったことを如実に示す作品でもあると思います.



7

カルメン・マキ & OZ
Carmen Maki & OZ

1975

★★★★★

 1972年,カルメン・マキ(Vo)のもとに,春日博文(G)・鳴瀬喜博(B)・樋口晶之(Ds)が集まって結成された Carmen Maki & OZ でしたが, '75年に,マキ・春日・石川清澄(Kbd)・千代谷晃(B)・古田宣司(Ds)のメンバーでこのファースト・アルバムをリリースしました.録音時すでにオリジナル・メンバーはマキさんと春日さんの2人しか残っていず,録音に参加した千代谷・古田の2名も直後に川上茂幸(B)・内藤正美(Ds)と替わってしまったため,裏ジャケには新メンバーによる写真が使われているという,何ともややこしいことになっています.当時の状況では日本のロック・アルバムとしては考えられないほどの売上げを示したらしいですが,確かに,それまでの日本のロックに欠けていた何かを持っているような気がしたのが OZ と加藤和彦氏率いるミカ・バンドでした.シングルとして先行発売された『午前1時のスケッチ』のヒットも大きかったと思われます. "Jumpin' Jack Flash" ・ "Smoke on the Water" と並ぶ当時のギター少年の必修科目(?)だったよ〜な気がしますが,実のところこの曲あんまり好きじゃなかったんですよね.個人的に好きだったのは『朝の風景』と『きのう酒場で見た女』,そして後に中森明菜さんによるカヴァーに驚かされた大作『私は風』でした.

8

閉ざされた街
Carmen Maki & OZ

1976

★★★★★

 ロサンゼルスで4か月以上かけて制作された,前作の流れを汲む....って言うか,サウンドを完成した感の強いセカンド・アルバムで,内容的にはもしかしたらこちらの方が上かもしれません.でも,衝撃的だったという意味あいにおいて前作の方が高く評価されてしまうのは仕方のないことかも.... さらに驚かされたのはジャケット・デザインで,何と内側(レコードの入っているところね)まで印刷されているではないですか! レコード屋さんで買って帰ってきて家で見てホントびっくりしました.アルバム全体の出来も最高ですが,個人的には何と言っても『崩壊の前日』と『閉ざされた街』(別名『腐った猫』)の2曲が特に気にいっておりますです.

9

III
Carmen Maki & OZ

1977

★★★

 解散後にリリースされたマキ・春日・川上・川崎・武田治(Ds)のメンバーによるサード・アルバムで,内容的には前2作とかなり趣を異にしておりますです.実は先行発売されていたシングル『空へ/嘆きのチャールストン』がモノすご〜く気にいっておりまして(シングル・ヴァージョンの『空へ』は今でもこのバンドのベスト・テイクだと思っております),このサード・アルバムのリリースを待ちに待っていたわけなのですが,最初聴いたときは何か肩透かしくらったような感じがして一抹の寂寞感(そんな大袈裟な....)を感じさせられたモノでした.今ではそれなりに気にいってる部分もありますが.... でも『空へ』に関しては,やっぱりシングル・ヴァージョンの方が数段良いと思います.

10

CARMEN MAKI & OZ LIVE

1978

★★★

 解散1年後にリリースされた2枚組ライヴ・アルバム.ライヴ・アクトとして評価の高かったバンドらしく,『崩壊の前日』・『六月の詩』・『Image Song』・『閉ざされた街』・『空へ』・『私は風』といった代表作ではスリリングな演奏を聴かせてくれます.マキさんのヴォーカルに関しては,やはりスタジオの方がいいような気がしますが,ライヴならではの雰囲気が捨てがたい部分もまたあるのです.個人的には,『きのう酒場で見た女』と『嘆きのチャールストン』のライヴ・ヴァージョンってぜひ聴きたかったのですが,やっぱりステージでは演らなかったのでしょうか?

11

限りなく透明に近いブルー

1979

★★★

 芥川賞受賞作家・村上龍氏の脚本・監督で映画化された同賞受賞作のサウンドトラック.マキさんは,村上龍作詞・春日博文作曲の『青白い夕焼け(“リュウ”のテーマ)』を歌っています.ギターも春日氏.

12

Night Stalker

1979

★★★

 このアルバムと次の "LAFF" に関しては発売された当時はほとんど興味なかったもんで,かなり後になって聴きました.何とこのアルバム, Carmine Appice さんがプロデュースしていたんですね〜? 「日本ハード・ロックの女王カルメン・マキのソロ・デビュー・アルバム」と再発 CD の帯に書かれておりましたが,その位置付けは少しおかしいと思うよ. OZ 時代と違って,全11曲のうち春日=川上作の "J-ROCK" ("J-POP" という言葉はここから生まれた....ワケではない....とゆ〜よ〜なことがどっかに書いてあったな)以外は全て英語の歌詞で,ブルース・クリエイションとのアルバムの時にも少し感じたんですが,この人ハーフの割にはあまり英語の発音うまくないよ〜な気がする....気のせいか? あと,驚いたのは "Take Me for a Little While" って曲,これって完全に David Bowie さんの "Fame" のパクリじゃ〜んって思っていたら,当時の Bowie さんとこのギタリストだった Earl Slick さんも参加していたのね? 知りませんでした....