King Crimson


DISCOGRAPHY Part 02 (1981 - 1996 第4〜5期)

第4期 (1981 - 1984)

13

Discipline

1981

★★★★

 '81年, Fripp 先生によって Bill Bruford (Ds) ・ Adrian Belew (G ・ Vo) ・ Tony Levin (B ・ Stick) のメンバーが集められ,当初はバンド名を "Discipline" と名乗っていたらしいですが,後に King Crimson と改め,旧バンド名をそのままアルバム・タイトルとして発表しました.個人的には,この第4期の Crimson って,第1〜3期のような完成された中のアブナさみたいなモノが不足しているようで,あまり好きじゃないんですが, '80年代という時期も考慮して,別モノとして評価すべきかもしれません.そういった意味で評価しなおすとしたら,やはりこの作品が3部作の中では最もよく出来ていると思うし,聴きやすいと思います.

14

BEAT

1982

★★★

 Crimson 史上初の同一メンバーによる新作リリースということで話題を呼びましたが,結局,安定することがこのバンドにとってはマイナスだったということを証明してしまったよ〜な気がします.作品自体の出来は悪くないとは思うのですが,やはり『二番煎じ』の感は否めず,前作ほどの衝撃は当然ながら感じられませんでした.

15

Three of a Perfect Pair

1984

★★★

 3部作完結編.ラストに "Lark's Tougues in Aspic Part III" が収録され,また '70 年代 Crimson に回帰したような音作りもされていたため,「次は?」と思わされましたが,バンドはまたしても活動を停止してしまいました.




16
THE COMPACT KING CRIMSON
1986
-
 第1期の "IN THE COURT OF THE CRIMSON KING"(1) ・ "IN THE WAKE OF POSEIDON"(2) 及び第3期の "Red"(8) と第4期の三部作の計6枚のアルバムから選曲されている変則的なコンピレーション(アナログ2枚組).しかも, CD 化に際しては "POSEIDON" と "Red" からの曲がカットされてしまったため, Crimson 入門用としてはいささか?なベスト・アルバムになってしまいました.
17
THE ESSENTIAL KING CRIMSON
frame by frame
1991
-
 CD 4枚組 Box Set .Disc 1 が第1〜2期, Disc 2 が第3期, Disc 3 が第4期, Disc 4 が'69〜'84年のライヴという構成で,入門編には最適のコンピレーションですが,他のコンピレーション同様何曲かがアブリッジドなのが残念です.
18
THE ABBREVIATED KING CRIMSON
1991
-
 もともと CD Box Set リリースに際して,ラジオ放送用プロモーション用に製作されたモノらしいですが,タイトル通りほとんどが省略形なので聴いてると欲求不満に陥るかも.... ラストに収録されている "Medley" には思わず笑ってしまいました.
19
The Great Deceiver
Live 1973-1974
1992
★★★
 第2期 Crimson の "Starless and Bible Black" リリース時の4人のメンバー(Fripp・Wetton・Cross・Bruford)によるツアーから収録された音源を収めた4枚組 Box Set .凄いとは思いますが,全部通して聴くとかなり疲れます...
20
| sleepless | The Concise King Crimson
1993
-
 1991年の Fripp 氏による Crimson 復活宣言の後,ミニ・アルバム "Vrooom" リリースに先がけてリリースされた通算5作目のコンピレーション. "IN THE COURT OF THE CRIMSON KING"(1) ・ "Red"(8) ・ "Discipline"(13) という各時期の代表作からの選曲が多く,コンピレーションとしては最もつりあいが取れているかもしれません.



第5期 (1994 - 1996)

21

VROOOM

1994

★★★

 1991年の Fripp 先生による『キング・クリムゾン復活宣言』から3年の月日を経てようやくリリースされた6曲入りミニ・アルバム.メンバーは Fripp 先生の他, Adrian Belew (G・Vo) ・ Trey Gunn (Stick) ・ Tony Levin (B・Stick) ・ Pat Mastelotto (Ds) ・ Bill Bruford (Ds) の面々. '72年・'81年に続く3度目の『復活』なわけですが,実は私にとって'81年の『復活』は期待していたほどのモノではなかった("Descipline" はよく出来たアルバムだったとは思いますが, "In the Court of the C. K." や "Red" なんかとくらべるとやはり...)もので,このミニ・アルバムがリリースされた当初は「何をいまさら... 」みたいな感じがあって,あまり期待はしておりませんでした.でもこれがいいんですよね... ただ,久しぶりにムダのない音づくりをしている,本来の Crimson の作品を感じさせてくれる作品だったのはミニ・アルバムだったからか? とゆ〜よ〜な?もあったもんで,次作を聴くまで,正直なところ本当に『復活』したのか,判断に苦しむところでした.

22

THRAK

1995

★★★★

 Fripp 先生によると前作にあたるミニ・アルバム "Brooom" は,「新生 Crimson のリハーサル・テープにすぎない」とゆ〜お話で,それならばフル・アルバムの本作はど〜なんだ? とゆ〜ことになるわけですが,本人が豪語するだけあって "Red" 以来の緊張感あふれる名作だと思います.前作 "Vrooom" の収録曲6曲中5曲が再度収録されていますが,そのどれもが新規レコーディングによるモノであること,また,他の10曲もそれらに負けず劣らずの粒揃いの作品群であると思います.しかしながら,思うに昔のアナログ・ディスクの LP というのは,1枚のアルバムを作るのに理想的な長さだったとつくづく感じます.特にプログレッシヴ・ロックに関しては,はっきり言って CD 1枚15曲ってゆ〜のは,聴いてる方がしんどいのです.

23

B'BOOM
official bootleg - live in argentina 1994

1995

★★★

 新生 Crimson の '94年10月アルゼンチン公演を収録したライヴ・アルバム.これまで Crimson のライヴというと, Box Set の "The Great Deceiver" は別格として,正規アルバムとしては,第2期の "Earthbound" ・第3期の "USA" 共に,スタジオ作と比較するとど〜しても「........?」だった訳なのですが,今回のこの作品はかなりテンション高いです.で,やはりオールド・ファンといたしましては,第4・5期の曲もいいのですが,やはり "Red" と "Lark's Tongue in Aspic Part II" の収録が嬉しかったのでした.ただ,やはり CD 2枚組を通して聴くのはしんどいかも...

24

THRaKaTTaK

1996

★★

 再々復活 Crimson がその最終章としてリリースした,ライヴ・インプロビゼイションを編集したアルバムで,音源は '95年10〜11月の日本及び USA ツアーらしいです.日本盤 CD の帯にはただ一言『即興のダイナミズム』とだけ書かれておりましたが,これは当時の担当者がこれ以上何も書けなかったんじゃないかと... 要するに完全な実験作で,第2期にもライヴ音源をスタジオ・アルバム化した "Starless and Bible Black" とゆ〜作品が ありましたが,それと同様,単なる実験作の域を出ておらず,「凄いね?」って言われるかもしれませんが,アルバム・作品としてはあまり高い評価は与えるべきではないと思います. Fripp 先生の『病気』であります.