Linda Ronstadt


DISCOGRAPHY Part 1 (1967 - 1976)



1

The Stone Poneys 1967 ★★★

 1964年にアリゾナ大学を1学期で中退した Linda さんが, Bob Kimmel さん, Ken Edwards さんの2名の男性と共に結成した The Stone Poneys の 1st Album で,当初はシンプルに "The Stone Poneys" というタイトルでしたが,後に Linda さんがブレイクしてからは, "The Sypne Poneys featuring Linda Ronstadt" としてリイシューされたみたいです.サウンドは当時ブームを呼んでいたフォーク・ロックで,良くも悪くもまとまっている印象を与えられるアルバムです.

2

The Stone Poneys
Evergreen Vol.2
1967
★★★

 このアルバムから "Different Drum" がヒットしましたが,その後はヒットに恵まれませんでした.アルバムの印象としても,やはりヒット曲のみ目立っている感じです.

3

Linda Ronstadt
Stone Poneys and Friends Vol.3

1968
★★★★

 この頃になると,タイトル・ジャケットともに Linda さんのみが目立ってしまってます(笑).というわけでこのアルバムを最後に解散してしまいましたが,作品としては最もヴァラエティに富んでいる感じです.特に Laura Nyro さんの "Stoney End" の収録が嬉しかったのです.

4

Hand Sown... Home Grown

1969
★★★

 ソロ・デビュー作.彼女の声っていわゆる美声ではなくて,人によって好き嫌いの分れるところだと思うのですが,その声の特徴からカントリー系からのスタートっていうのは正解だったんでしょうね?  このアルバムではのびのびとカントリー系・フォーク系の曲を歌っていて,アプローチとしては成功していると思います. Bob Dylan 先生の曲が2曲収録されていますが,これに関しては正解と言えるかどうか?

5

SILK PURSE

1970
★★★★

 カントリー色・フォーク色がかなり強かったデビュー作に比べて,レパートリーの広がりが感じられる第2作目.特に,Goffin - King の "Will You Love Me Tomorrow?" を取り上げている点と,彼女の初期の代表作ともいえる "Long Long Time" での熱唱は特筆モノ.あと,カントリー系でも "He Dark the Sun" など, 前作に比べて歌唱力の進歩を感じさせられました.

6

LINDA RONSTADT

1972
★★★★

 Jackson Browne ・ Eric Kaz ・ Johnny Cash ・ Livingston Taylor ・ Woody Guthrie ・ Neil Young ・ Eric Andersen 等のシンガー・ソングライターの作品を取り上げており,また,バックを無名時代の Eagles のメンバーが務めているという Rock ファンにとっては嬉しく,取っ付きやすい作品.日本で Eagles がブレイクした頃,『リンダ・ロンシュタット・ウィズ・イーグルス』なんてタイトルつけられて再発されたこともありました.




7

Don't Cry Now

1973
★★★★★

 Capitol から Asylum へ移籍しての第1弾.初期の最高傑作だと思います.何と言っても "Love Has No Pride" ,彼女の人生そのままって感じの曲ですが(笑),この曲こそ彼女のもっとも重要なレパートリーの一つであることに異を唱える人は少ないと思います.あと "Desperado" , Eagles の名曲を彼女流の独特の解釈で見事に歌いこなしていると思います.他にも,タイトル曲の "Don't Cry Now" ,ラストの "I Believe in You" ,ファースト・アルバムでも取り上げていた "Silver Threads and Golden Needles" 等,初期の彼女を代表する作品の数々が収録されています.

8

Music from FREE CREEK
1973
★★★

 当時のビッグ・ネームがやたらと大勢参加していたことで,評判になった2枚組. "SILK PURSE"(5) でも取り上げていた "He Darked the Sun" (この曲,タイトルが "SILK PURSE" では "He Dark the Sun" となってますが,どっちが本当だろね?)と, "Living Like a Fool" で Vocal をとってますが,このアルバムの中でもかなり目立った存在でした.

9

Different Drum
1974
-

 初のベスト・アルバム. Capitol との契約枚数消化のため,このベスト・アルバムと次作の "HEART LIKE A WHEEL"(10) が, Capitol からリリースされたという事情らしいですが,内訳は, Stone Poneys 時代の曲が5曲, "Hand Sown... Home Grown"(4) から1曲, "SILK PURSE"(5) ・ "LINDA RONSTADT"(6) から各2曲の計10曲.例によって選曲に文句つけたい気もしますが,まあ,妥当な線かも....

10

HEART LIKE A WHEEL

1974
★★★★

 契約枚数消化のため Capitol からリリースされたアルバムですが,この中に収録された "You're No Good" のビッグ・ヒットで,彼女はトップ・スターの仲間入りを果たしました.日本でも,この頃からメジャーな存在になっていったように記憶してます.という事で,名盤ということになっていますが,収録曲ならびにアルバム自体の出来は前作の "Don't Cry Now"(7) の方が上ではないかと,個人的には思ってます. 

11

Prisoner in Disguise

1975
★★★★★

 Asylum からの第2弾. Neil Young さんの "Love Is a Rose" , "Love Has No Pride" と双璧をなすベスト・テイクのバラードでビッグ・ヒットを記録した "Tracks of My Tears" , John David Souther さん作で彼自身がデュエットしている "Prisoner in Disguise" ・ "Silver Blue", The Who もカヴァーしていた "Heat Wave" ,後に "Trio" で共演する先輩女性シンガー Dolly Parton さんの名曲 "I Will Always Love You" 等,レパートリーの広がりを感じさせるヴァラエティーに満ちた選曲が魅力的な作品です.

12

HASTEN DOWN THE WIND

1976
★★★★

 この頃日本では,カントリー系女性シンガーの人気が高く,最初に人気に火のついたのは Olivia Newton-John さんで,それが飛び火したような形で Linda さんの人気も高まっていったわけですが,これって実は逆だったんで, U.S.A. ではやはり Linda さんの人気が高く, Olivia さんは二線級みたいに見られていた感じでした.それはともかくとして,この作品はそんな Linda さんの人気が最初のピークに達していった頃の作品で,内容的にもかなり充実しています.このあたりから,単なるカントリー・シンガーとしてではなく, Rock Vocalist としての評価も確実なものになってきたようです.