Rick Derringer


DISCOGRAPHY Part 2 (Winter Family 1970 - 1976)



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JOHNNY WINTER AND

1970

★★★★

 Johnny Winter And の第1作にして唯一のスタジオ作.メンバーは Johnny Winter (G・Vo) ・ Rick Derringer (G・Vo) ・ Randy Jo Hobbs (B・Vo) ・ Randy Z (Ds / Rick 氏の実弟) . Johnny 氏のロックンロール狂乱時代の幕開けとなった作品ですが,この作品ですでに全11曲中, Johnny 氏のオリジナル3曲に対し, Rick 氏4曲, Randy Z 氏1曲と,バンドの主導権を Rick 氏が握るような形となっていて,後の Johnny 氏のノイローゼの遠因となるのでした.さて収録曲ですが,何といってもトップの Johnny 氏の作品 "Guess I'll Go Away" と Rick 氏の代名詞とも言える名曲 "Rock and Roll Hoochie Koo" が最高です.プロデュースは Johnny & Rick 氏,アシスタントとして Roy Segal 氏と Edgar Winter 氏がクレジットされています.

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Live Johnny Winter And

1971

★★★★★

 Johnny Winter And 名義の第2作,ライヴ・アルバムそしてラスト・アルバム.メンバーはドラムスが Randy Z から Bobby Coldwell に替わっています.プロデュースは Johnny & Rick 氏,今回は Edgar Winter さんは関わっていないみたいです. 1970年12月と'71年1月,ニューヨークのフィルモア・イーストならびにフロリダ州ダミアのパイレーツ・ワールドでの収録で,メドレーを含め全6曲が収録されています.何といっても Johnny & Rick のギター・プレイが最高というか,個人的には私Johnny さんよりも Rick さんの方がロックンロール・ギタリストとしては上じゃないかと思っておりますが,ここでの Rick 氏は見事サイド・ギタリストに徹していて Johnny 氏のプレイを引き立てております.未だに聞き飽きることのない'70年代初頭の名盤です.収録されている曲はどれもよいのですが,特に "Jumpin' Jack Flash" と "Johnny B. Goode" の2曲はオススメです.しかしこのアルバム発表後, Johnny さんは極度の精神衰弱に陥り,一時は入院,2年弱の隠遁生活に入ってしまいます.そのためバンドは自然消滅, Rick 氏は Edgar 氏に急接近するのでした.

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Edgar Winter's White Trash

1971

★★★★

 Edgar Winter さんが自らのバンド White Trash を結成しての第1作目で,パーソネルは Edgar Winter (Vo・Sax・Key) ・ Jerry LaCroix (Vo・Sax・Harp) ・ John Smith (Vo・Sax) ・ Mike McLellan (Vo・Trumpet) ・ Bobby Ramirez (Ds) ・ George Sheck (B) ・ Floyd Radford (G) で, Johnny Winter ・ Rick Derringer のお2人がギターでゲスト参加しています.私,実をいうとホーン・セクションの入った Rock ってあまり好きじゃないというか〜,どちらかと言うと嫌いだったんですが,このアルバムにははっきり言ってブッとばされました,とにかくメチャクチャかっこいいです.プロデュースは Rick Derringer 氏でした.

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ROADWORK
/ Edgar Winter's White Trash

1972

★★★

 『ドサ回り』と題された White Trash の2枚組ライブ・アルバムで,メンバーは前スタジオ作("Edgar Winter's White Trash" ・ Rick Derringer プロデュース)とほとんど同じですが,ベースが George Sheck から Randy Hobbs に,また,ギターが Floyd Radford から Rick Derringer の正式参加へと,活動を停止していた Johnny Winter And のメンバーを吸収した形になっています.あとアナログB面ラストで御大 Johnny Winter 氏が特別出演した "Rock and Roll, Hoochie Koo" が収録されておりますが,この時期 Johnny 氏は重度のヘロイン中毒とノイローゼで精神病院に入院しており,外出許可をもらってこのステージに参加したとかいう伝説が残っております.本当だかど〜だか判りませんが,とりあえずこの手のエピソードは信じた方が楽しいので信じることにしております.プロデュースは前スタジオ作に引き続き Rick Derringer 氏でした.

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THEY ONLY COME OUT AT NIGHT
/ The Edgar Winter Group

1972

★★★★

 White Trash での活動を停止した Edgar 氏が次に作ったのは,打って変わってシンプルな編成のロックンロール・バンドでした.パーソネルは Edgar Winter (Vo・Sax・Key) ・ Dan Hartman (Vo・B・Key) ・ Chuck Ruff (Ds) ・ Ronnie Montrose (G) .このアルバムからシングル・カットされたインストゥルメンタル・ナンバー "Frankenstein" (最初はものすご〜い長い曲だったのをツギハギだらけにして短くしたもんでこのタイトルになったらしいです)が USA No.1 ヒットに輝き,当時生彩を欠いていた兄 Johnny に代わって一躍スターダムにのし上がった Edgar 氏でした.この作品についても,ギターの Ronnie Montrose 氏に不満が残りますが, Johnny Winter ・ Rick Derringer といった両天才ギタリストと比較せれるっていうのも少々酷かも... プロデュースはまたしても Rick Derringer 氏でした.

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Still Alive And Well
/ Johnny Winter

1973

★★★★

 よしだたくろうじゃないけど『元気です』("John Dawson Winter III" 日本盤ライナーノーツより引用).約2年間の沈黙(この間, Edgar Winter's White Trash のライブ・アルバム "ROADWORK" に, White Trash のステージにゲスト出演した時の模様が収録されています)を破って発表された作品ですが,内容はやはりロックンロール大会でした.メンバーは Johnny さんの他, Randy Jo Hobbs (B) と Richard Hudges (Ds) , Rick 氏や何と Todd Rungren さんなんかもゲスト出演.プロデュースはついに Johnny さん本人は退き, Rick 氏の単独プロデュースとなっています.収録曲は "Rock Me Baby" 等のスタンダードの他, Johnny さんのオリジナルが2曲, Rick 氏の作品が2曲( "Cheap Tequila" と "Still Alive and Well" ,共に Rick 氏の代表作にして名曲です!),また, Edgar Winter Group の Dan Hartman の作品が1曲と, "Silver Train" (発表はオリジナルよりもこのバージョンが先)・ "Let It Bleed" の2曲の Stones ナンバーが収録されているのが目を引きます.




19

Saints & Sinners
/ Johnny Winter

1974

★★★★

 前作に続く Rick Derringer プロデュースによるロックンロール・アルバムで,日本盤では『テキサス・ロックンロール』ってタイトルがつけられておりました.最もロックンロール色が強いアルバムで,かつブルース・ギタリスト Johnny Winter の信奉者からは評判の悪い作品でもあります.メンバーは前作と同じく Johnny ・ Randy ・ Richard の3人がメインですが, Edgar Winter ・ Rick Derringer ・ Dan Hartman ・ Bobby Coldwell ・ Jo Jo Gunne 等がゲストで参加しています.収録曲目は, Johnny さんのオリジナル2曲以外に, Chuck Berry ・ Larry Williams ・ Edgar Winter - Dan Hartman ・ Van Morrison 等の作品が収められこれまたバラエティーに富んでます.また,またしても Stones の "Stray Cat Blues" が収録されていますが,この人 Stones の曲を完全に自分のモノにしてしまえる唯一の Musician だと私は思うのですが,いかがなものでしょう?

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Shock Treatment
/ The Edgar Winter Group

1974

★★★★★

 このアルバム,あまり名盤として評価されることはないのですが,多分でらちゃんにとっては20世紀最高のロックンロール・アルバムということになると思います(1979年に発行された『これが最高 EVERYBODY'S CHOISE TOP 100 Vol.2 日本編』では,ただ1人近田春夫氏がベスト10中第3位にあげていました.ちなみに第1位は T.REX の "Electric Warrior",第2位は David Bowie の "Ziggy Stardust" で,この人の趣味私に似ている... ). Edgar Winter Group 名義の第2作(1作目は "They Only Come Out at Night" ・ Rick Derringer プロデュース)で,メンバーは Montrose 結成のために抜けてしまった Ronnie Montrose 氏に代わって Rick Derringer 氏が正式加入し,当然プロデュースも担当しております.

21

JOHN DAWSON WINTER III
/ Johnny Winter

1974

★★★★★

 このアルバムが発売された当時の CBS SONY ってムチャクチャな日本語タイトルつけるのが得意で,この作品にも『俺は天才ギタリスト!』なんてタイトルがつけられてました.それはともかくとして, Blue Sky レーベルからの第1弾として発表されたこのアルバム,多分 Johnny さんの最高傑作だと思います.トップの "Rock & Roll People" (この曲については John Lennon が Johnny さんの為に書き下ろしたとゆ〜話もありますが,実際のところ当時両者の間に何らかの接触はあったものの,この曲に関しては Lennon 氏がオクラ入りにしていたのを貰い受けたというのが真相らしいです)からラストの "Sweet Papa John" まで興奮させられっぱなしの1枚でした.メンバーは Johnny ・ Randy ・ Richard の3人がメインで, Edgar 氏・ Rick 氏他がゲスト参加.プロデュースは Shelly Yakus 氏で,日本盤の帯等には「ついに Johnny が Rick に訣別」みたいなこと書いてありましたが,このアルバムでも Rick 氏の "Roll with Me" 演ってるし,共演もしてるしで,結構仲良くやってたみたいです.

22

JASMINE NIGHT DREAMS
/ Edgar Winter

1975

★★★★

 "Entrance" に続く,ソロ・アルバムとしては久々の第2作目ですが,バックは Rick ・ Dan ・ Chuck の Edgar Winter Group の面々で, Johnny Winter (G) ・ Rick Marotta (Ds) のお2人がゲスト参加しております.内容的にもロックンロール及びソフト&メロウ路線で Edgar Winter Group のそれとほぼ同一ですが,アルバムのラストにインストを3曲まとめて入れるなど実験的な試みもやってたみたいです.

23

THE EDGAR WINTER GROUP
WITH RICK DERRINGER

1975

★★★★

 Frank Zappa さんや Johnny Winter さんのページでも書きましたが,本っ当にこの時期の CBS SONY ってアルバムにムチャクチャな邦題つけておりまして,このアルバムの邦題ときたら何と『謎の発光物体』(哀),「おいっ!」といいたくなりましたが... それはともかくとして Edgar Winter Group としての最終作で,タイトル(原題だよもちろん)からも明らかなように, Rick Derringer 氏をこれまでになくフィーチュアしております.この時期 Rick 氏は Johnny 氏・Edgar 氏のサポート的な活動とは別に,すでに2枚のソロ・アルバムを完成しており,ソロ・アーティストとしての独立をかなり意識していたみたいです.プロデュースはこれが最後の Rick Derringer 氏でした.

24

TOGETHER
/ Johnny and Edgar Winter

1976

★★★

 Winter Family (この呼び方ってかなり CBS SONY の営業戦略入ってるので嫌う人もいるんだけどね)総出演によるライブ・アルバム.メンバーは Johnny 側から Johnny Winter (G・Vo) ・ Randy Jo Hobbs (B) ・ Richard Hudges (Ds) ・ Floyd Radford (G) , Edgar 側から Edgar Winter (Sax・Vo) ・ Rick Derringer (G・Vo) ・ Dan Hartman (Pf・Vo) ・ Chuck Ruff (Ds) ,豪華です. 完全なお祭りアルバムですが,それだけに楽しく聴ける作品です.プロデュースは Johnny & Edgar Winter.