加川 良

Discography Part 2

 1970・71年のフォーク・ジャンボリーで注目を集めた加川氏は URC から3枚,ベルウッドから1枚の日本フォーク史に残る名盤を発表しますが,1975年以降のフォーク→ニューミュージックの流れの中,次第に活動が目立たなくなってしまいました.79年には東京キッド・ブラザーズ『十月は黄昏の国』に参加,'83年に村上律とのライヴ・アルバム『A LIVE』を発表した後は,ほとんど名前が聞かれることがなくなってしまいました.




13

教訓

1971

★★★★

 名曲『教訓 I』の素晴らしさはいうまでもないですが,それ以外にも傑作・佳作を多々収録した日本フォーク史に残る名盤だと思います.何と言っても凄いと思うのは,この人の声ってすご〜く味わいというか妙に暖かい説得力があって,『女々しく女々しく生きましょうよね』などと言われると『ハイ,そうですね』って納得してしまう不思議な魅力があるのです.『ゼニの効用力について』は『教訓 I』・『戦争しましょう』に並ぶ名曲だと思うのですが,中学生の頃この歌詞が大好きでよく口づさんでいた私って...やっぱりやな奴?

14

親愛なるQに捧ぐ

1972

★★★

 ほとんど前作と同じ路線ですが,過激さが少し色を潜め,その分あたたかさが表面に出てきている感じです.『偶成』・『親愛なるQに捧ぐ』は名曲だと思いますが,何といっても好きなのはローランサンの原詩(堀口大学・訳詞)に曲をつけた『鎮静剤』.ちなみにこの詩には高田渡氏も別の曲をつけていて,こちらの方は夏木マリさんが後に取り上げてますが,やはり大傑作です.

15

やぁ

1973

★★★★★

 澁谷ジァンジァン他の計4会場での録音を編集したライブ・アルバムです.この時期のフォークのライブ・アルバムとしては,クオリティの高さ・楽しさ共に最高の水準を持ったアルバムだと思います.相棒の中川イサト氏との息もピッタリで,この2人結婚(?)するのではないか?などと当時のフォーク関係の雑誌で取り上げられておりました.曲としてもオープニングの珍しくピアノ伴奏による『大晦日』,当時のニュー・フォーク・ブームを揶揄した『フォーク・シンガー』,ラストの『流行歌』など傑作が多数収録されております.

16

アウト・オブ・マインド

1974

★★★★★

 URC を離れた加川氏がベルウッド・レコードに残した唯一の作品ですが,氏のスタジオ録音盤ではこれがベストだと思います.サウンドを加川氏の盟友・中川イサト氏と鈴木茂&ハックルバックがしっかり支えています.曲としては,何といってもオープニングの『ラヴ・ソング』が秀逸.また,友でありライバルでもあった吉田拓郎氏の「金沢事件」を揶揄したと思われる『2分間のバラッド』はかなり笑えます.

17

南行きハイウェイ

1976

★★★

 思うに'70年代後半というのはかつて『フォーク・シンガー』と呼ばれた人たちにとっては受難の時期で,ニューミュージック・ブームに乗っかるか, ROCK 系に転向するか,引退するかの決断をせまられる時期であったと思うのです.加川氏のこの作品も石田長生氏をプロデューサーに迎えるなどして,これまでの作品とは違ったアプローチを試みてますが,成功とも失敗とも言えない... というのが正直な感想でした.トップの『転がりつづける時』は加川さんらしい佳作,また石田氏と共作の『ホームシック・ブルース』は歌詞の大部分が会話文という実験作.

18

駒沢あたりで

1978

★★★★

 レイジーヒップをバックにマイペースな音作りをしている作品で,わりと好きなアルバムです.特にトップの『女の証し』と『祈り』は加川さんらしさが100%生かされた傑作だと思います.'79年に発行された『EVERYBODY'S CHOISE TOP 100 ALUBUMS - これが最高!・日本編』(各界の著名人にアンケートでロック・アルバム・ベスト10を答えてもらい,それを集計して TOP 100 を決める企画)で,何故か中島みゆきさんが,アンケートの回答で第1位にしておりました.



19

 *十月は黄昏の国/東京キッド・ブラザース

1979

 加川氏と小椋佳氏が作詞・作曲に参加した,『フォーク・ミュージカル・オリジナル・キャスト版』と銘打たれた東京キッド・ブラザーズのアルバムですが,加川氏はゲスト・アーティストとしてもクレジットされています.そういえば,昔かまやつひろしさんが著書『我が良き友よ』の中で加川氏のことを「役者にしても売れる顔」と評しておりましたが....? あまり関係ないか?

20

プロポーズ

1981

★★★

 う〜ん... どうもこのアルバムはいまひとつ加川さんらしさに欠けているような気が... ヒットした『コスモス』はじめ一曲一曲も悪くはないんですが...

21

 *アーリー加川良

1982

★★★

 Side-A は1970・71年の中津川フォーク・ジャンボリー及び1974年池袋シアターグリーンにおけるライヴ, Side-B は『アウト・オブ・マインド』(4)からの抜粋という,キングによるベルウッド・シリーズの変則的コンピレーション.

22

加川良,ウィズ,村上律.(A LIVE)

1983

★★★★

 ライブ・アルバムとしては『やぁ』に続く2作目で,前作の収録曲がすべて未発表曲だったのに対して,今回は全てこれまでにリリースされたアルバムから選曲されていますが,何といっても『駒沢あたりで』に収録されていたラスト3曲(『ばびぶぶべべ』・『女の証し』・『祈り』)が感動的です.

23

ONE

1991

★★★

 何とスタジオ録音としては10年ぶりの新作ですが,6曲入り... ほとんどミニ・アルバムって感じです.でもあの独特の歌声は健在でした.

24

2 [tu:]

1993

★★★

 こちらは9曲入り, CD の時代になっても相変わらずマイ・ペースな作品作りしている感じです.トップの『ONE』は久々の名曲だと思います.