萩原 健一


DISCOGRAPHY Part 3 (1973 - 1983)



31

原点

1974

-

 『萩原健一』名義で最初にリリースされた LP アルバムですが,内容はテンプターズ時代のコンピレーションで,残念ながらソロ・アルバムではありません.実はこの時期, PYG 時代後期に『萩原健一+PYG』名義で『戻らない日々/何もない部屋』(27),ソロ名義で『ブルージンの子守歌/少年の魂』(28・TVドラマ『太陽にほえろ!』第1話にて挿入歌として使用),さらに PYG 名義の2枚のシングル(29・30)をリリース後,1972年12月をもって音楽活動を停止しており,3年後のファースト・ソロ・アルバム(32)リリースとともに再開されたという経緯がありました.

32

惚れた

1975

★★★★

 で,こちらがファースト・ソロ・アルバムとなりますが,何故かジャケット・タイトル共に演歌調でちょっと引いてしまいました.でもそれが結構しっくりした感じだったのは意外でした.水谷豊さんをゲストに迎えた『兄貴のブギ』,河島英五さんのカヴァー曲『酒と泪と男と女』収録.また,アルバム・トップの『うるわしのかんばせ』は,当初吉田拓郎さんに作曲が依頼されたのですが,あまりにも強烈な個性のお二方が反発しあってケンカ別れしてしまったため,その曲はお蔵入りし,新たに森田公一さんが曲をつけて収録されたらしいです.ちなみにボツになった拓郎さんの曲は後に清水健太郎さんの『さらば』という曲となって復活しました.

33

Nadja
愛の世界

1977

★★★

 MINORUPHONE よりリリースされたセカンド.Side-A が Inoue Side, Side-B が Ohno Side となっていて,それぞれ井上堯之さん作詞・作曲,東海林良さん作詞・大野克夫さん作曲の楽曲で占められているのですが,この試みが成功しているかどうかは疑問です.

34

Nadja II
男と女

1978

★★★
 同じく MINORUPHONE からリリースされた前作の続編的アルバム.今回は井上・大野の両氏の作品がバランスよくちりばめられ,また作詞にそれぞれ1曲ずつ柳ジョージさんと大野真澄さんを起用するなど,ちょっと一工夫した感じが窺えます.

35

Nadge-3 Angel gate
エンジェル・ゲイト

1979

★★★★
 レーベルを BOURBON に移してリリースされた Nadge 三部作の最終作.今回は井上・大野の両氏の他に,作曲陣に柳ジョージさん,速水清司さん等を迎え,さらにバラエティに富んだ内容となっています.また,このアルバムから BORO さん作詞・作曲の『大阪で生まれた女』がシングル・カットされスマッシュ・ヒットを記録しました.

36

健一・萩原 熱狂雷舞

1979

★★★★★

 実はこの頃,この人俳優さんとして活動していた印象が強く,ファースト・アルバム以降の作品はほとんど聴いていなかったのですが,このハイ・グレードなライヴ・アルバムのリリースは衝撃的でした.とくに PYG 時代の名曲『自由に歩いて愛して』の収録が嬉しかったのです.



37

DONJUAN
1980

★★★

 速水清司さん,石間秀樹さん,田中清司さん,原田裕臣さん,大口ヒロシさん等おなじみの面々による DONJUAN SUPER SESSION をバックに従えていますが,この年『井上堯之バンド』を解散し,ジュリーのバックを離れた井上さん・大野さんの作品も収録されており,ジャケット裏には "Love & Thanks to Takayuki Inoue & Katsuo Ohno" と明記されています.

38

DONJUAN LIVE

1980

★★★★

  DONJUAN SUPER SESSION によるライヴ・アルバム2作目.今回も 2LP で.充実した内容でしたが,聴き物はなんといっても『ラストダンスは私に』のカヴァーでした.

39

萩原健一の世界

1981

-

 一見 TV ドラマ・サウンドトラックのような体裁を取ってはいますが,実は Side-B にドラマでは使われなかった『兄貴のブギ』や『酒と泪と男と女』が収録されていたりしていて,よくわからないコンピレーション・アルバムです.
Side-A : NTV 系テレビドラマ『前略おふくろ様』より
Side-B : NTV 系テレビドラマ『傷だらけの天使』より

40

WHITE & BLUE

1981

-

 こちらは BOURBON レーベルよりリリースされた,初のオフィシャル・コンピレーション.

41

D'ERLANGER

1982

★★★

 ゲスト・ミュージシャンにクニ川内さんを迎えた, DONJUAN としては2作目のスタジオ・アルバム.速水清司さんがプレイヤーとしては参加せず,コンポーザーとしてのみ名前を連ねている等,メンバーに若干の変更が見られます.ジョニー大倉さん作の『メリーゴーランド』収録.

42

SHANTI SHANTI 1983

★★★★

 早くも3作目のライヴ・アルバム.そういえばソロになったばかりの頃の沢田研二さんも,やたらとライヴ・アルバムの多かったアーティストでした.