小池 真理子


短編小説

1 第三水曜日の情事 1985 角川文庫 ★★★
 20編を収録した処女ショート・ミステリー集.舞台をアメリカに統一した理由として,作者自身「ある種の生活の匂いや泥臭さをできるだけ排除したかった」と書いています.ある意味ではその効果はよく出ており正解だったと思われますが,解説を書いている阿刀田高氏は「?」としております.
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見えない情事 1988 中公文庫
双葉文庫
★★★
 最初の短編小説集.『ディオリッシモ』・『春日狂乱』・『寂しがる男』・『黒の天使』・『車影』・『真夏の夜の夢つむぎ』・『見えない情事』の7篇を収録.
 ミステリーを書き始めた時期の作品集だけあって,以降の作品集に比べるとやはり...という感じですが,作品の構成やストーリーの面白さはこの頃からかなりのモノだったと思います.ラストが秀逸な『見えない情事』が一番のオススメ.コワかったのは『春日狂乱』・『車影』の2作でした.
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あなたに捧げる犯罪 1989 双葉文庫
双葉文庫(新装版)
★★★★
 『菩薩のような女』・『転落』・『男喰いの女』・『妻の女友達』・『間違った死に場所』・『セ・フィニ―終章』の6篇収録.解説は井上夢人氏.
 この短編集読むと「女性の恐ろしさ」をつくづく感じさせられます.そういった意味で特に『菩薩のような女』・『妻の女友達』の2篇は悪女小説の秀作だと思います.
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妻の女友達

1989 集英社文庫
 『あなたに捧げる犯罪』改題.解説は権田萬治氏.
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キスより優しい殺人 1989 ケイブンシャ文庫
徳間文庫
★★★
 『第三水曜日の情事』に続くショート・ミステリー集第2弾.14篇を収録,文庫化に伴い短編『四度目の夏』(1990年・『小説宝石』掲載)を併録.
 今回の各作品の舞台は日本です... 舞台がアメリカだった前作品集の持つ雰囲気もそれなりによろしかったと思うのですが,舞台が日本だとより各エピソードが身近なものに感じられ,生々しい恐さが感じられて良いですね...

9 双面の天使 1989 集英社文庫 ★★★★
 1988年から89年にかけて『小説すばる』・『小説新潮』に掲載された『共犯関係』・『眼』・『薔薇の木の下』・『双面の天使』の4編を収録.解説は山前譲氏.
 個人的には『共犯関係』・『双面の天使』の2編が大好きな作品です.猫が好きで子供が嫌いな方なら解っていただけると思いますが... ^^;
10 追いつめられて 1989 祥伝社ノン・ポシェット ★★★★
 89年11月日本実業社から『窓辺の蛾』のタイトルで刊行された短編集,文庫化に際して改題.『窓辺の蛾』・『悪者は誰?』・『追いつめられて』・『泣かない女』・『隣の女』・『予告された罠』の6編を収録.
 やはり6編中5編を占めている心理サスペンスにこそ作者の持ち味が生かされていると思います.個人的には『泣かない女』・『隣の女』の2編が強烈に印象に残っています.
11 やさしい夜の殺意 1989 中公文庫 ★★★
 『やさしい夜の殺意』・『それぞれの顛末』・『チルチルの丘』・『青いドレス』・『未亡人は二度うまれる』の5篇を収録.解説は新津きよみ氏.
 皮肉な結末の『未亡人は二度うまれる』が秀逸ですが,この着想は女性作家ならではのモノでしょうね...? あと,少し異常心理入っている『やさしい夜の殺意』が良いです.
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恐怖配達人 1990 双葉文庫
双葉文庫(新装版)
★★★★★
 『梁のある部屋』・『喪服を着る女』・『死体を運んだ男』・『老後の楽しみ』・『団地』・『霧の夜』の6篇を収録.解説は山崎洋子氏.
 『短編の名手』として名高い小池真理子氏ですが,確かに当たり外れの最もない作家だと思います.そのような彼女の初期短編集の中で,最高の作品集がこれです.『普通の人々』がいかにして犯罪に巻き込まれるかを描いた一篇一篇の作品はまさに珠玉のできばえだと思います.
14 会いたかった人 1991 祥伝社ノン・ポシェット ★★★
 1990年から91年にかけて『小説 NON』・『小説宝石』に掲載された『会いたかった人』・『結婚式の客』・『寄生虫』・『木陰の墓』・『運の問題』・『甘いキスのはて』の6編を収録.
 この作者,運命に弄ばれる男女を描くのが本当にうまいっていつも思います.そういった意味でのオススメは『結婚式の客』・『甘いキスのはて』の2編.
15 倒錯の庭 1993 集英社文庫 ★★★
 93年『恐怖に関する四つの短編』として実業之日本社より刊行,96年文庫化の際改題.『倒錯の庭』・『罪は罪をよぶ』・『約束』・『暗闇に誰かがいる』の4篇を収録.解説は大森望氏.
 それぞれ違った意味で「恐い」4篇の恐怖小説がおさめられていますが,個人的には何といっても『暗闇に誰かがいる』の救いようのないラストが一番コワかったです.逆に犯人の男女の犯行の動機が薄弱で良く解らんかったのが『罪は罪をよぶ』.
16 危険な食卓 1994 集英社文庫 ★★★★
 『囚われて』・『同窓の女』・『路地裏の家』・『姥捨ての街』・『天使の棲む家』・『花火』・『鍵老人』・『危険な食卓』の8篇を収録.解説は篠田節子氏.
 老人物の『姥捨ての街』・『天使の棲む家』・『鍵老人』や『会いたかった人』にも通じる『同窓の女』等佳作がもりだくさんですが,やはり最高なのは作者十八番の異常心理物『囚われて』だと思います.あとコワかったのが『路地裏の家』,男の情けなさに笑えたのが『危険な食卓』か...

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贅肉 1994 中公文庫
双葉文庫(新装版)
★★★★
 『贅肉』・『ねじれた偶像』・『一人芝居』・『誤解を生む法則』・『どうにかなる』の5篇を収録.解説は朝山実氏.
 ミョ〜に主人公の心理に納得されてしまう表題作『贅肉』と,この作者の老人物の中で多分最もコワ〜イ『どうにかなる』がオススメです.
19 記憶の隠れ家 1995 講談社文庫 ★★★★
 『記憶』と『家』を共通のテーマにした初の連作短編集.『刺繍の家』・『獣の家』・『封印の家』・『花ざかりの家』・『緋色の家』・『野ざらしの家』の6篇を収録.
 どの作品も傑作ですが,特に映画『サイコ』を髣髴とさせる『刺繍の家』と・・・・な『花ざかりの家』が印象に残りました.
20 怪しい隣人 1995 集英社文庫 ★★★
 『妻と未亡人』・『家鳴り』・『終の道づれ』・『寺田家の花嫁』・『本当のこと』・『隣の他人』の6篇収録.解説は池上冬樹氏.
 身近な『怪しい隣人』たちをテーマに,他人に振り回される男女の姿を描いた短編集.それぞれの作品はとても面白く水準作以上の出来だと思うのですが,この作者の持ち味という点でもうひとつか...? 中ではやはり『妻と未亡人』と『隣の他人』の「女の恐さ」を感じさせる作品の出来がよいと思いまふ.
21 水無月の墓 1996 新潮文庫 ★★
 『異界』をモチーフにした幻想小説8編『足』・『ぼんやり』・『神かくし』・『夜顔』・『流山寺』・『深雪』・『私のいる場所』・『水無月の墓』を収録.解説は東雅夫氏.
 新しいジャンルへの挑戦で,それぞれの作品は読みごたえはあるのですが,作者の持ち味を生かした面白さという点に関しては,「?」が残るような気がします.
22 うわさ 1996 光文社文庫 ★★★★
 『独楽の回転』・『災厄の犬』・『ひぐらし荘の女主人』・『うわさ』の4篇を収録.
 悪女小説の傑作『ひぐらし荘の女主人』...作者の面目躍如といったところか...? あと表題作の『うわさ』に描かれている中年女性(異常心理入ってます)が変に魅力的に描かれているあたり,女性作家ならではのものを感じさせられます.
23 ひるの幻 よるの夢 1999 文春文庫 ★★★
 『夢のかたみ』・『静かな妾宅』・『彼なりの美学』・『秋桜の家』・『ひるの幻 よるの夢』・『シャンプーボーイ』の6篇を収録.解説は張競氏.
 解説にもあるように,少々ミステリーを離れた,日常を描いた作品が多いためか,すこ〜し物足りない感じもいたしますが,『静かな妾宅』・『彼なりの美学』など,やはりこの人は優れたミステリー作家であることを感じさせてくれる作品だと思います.
24 薔薇船 1999 ハヤカワ文庫 ★★★★
 『鬼灯』・『ロマンス』・『薔薇船』・『首』・『夏祭り』・『彼方へ』の6篇を収録.解説は結城信孝氏.
 「異界への興味関心は,幼いころから強かったように思う」(あとがきにかえて)作者が放つ,『異界』との接近・遭遇をテーマにした短編集.久々のある意味ホラーともいえる短編集で,かつての『小池ワールド』を髣髴とさあせてくれます.収録作の中では,『ロマンス』・『首』・『夏祭り』あたりが好きです.

25 薔薇の木の下 2000 徳間文庫 ★★★
 『春の水音』・『囚われて』・『封印に家』・『老後の楽しみ』・『妻と未亡人』・『薔薇の木の下』・『秘密』の7篇を収録.解説は結城信孝氏.
 単行本未収録の『春の水音』,書き下ろしの『秘密』を含む,自選恋愛短編集.どうしても,古い作品の方が,この人の持ち味がよく出ているような気がします.ここのところ,恋愛小説よりになってしまって,以前のようなサイコ・サスペンスやホラーじみた作品が少なくなったのが少々残念と言えば残念ですが....
26 午後のロマネスク 2001 祥伝社文庫 ★★★
 『約束』・『灰色の猫』・『親友』・『彼方へ』・『妻と未亡人』・『愛しい嘘』・『白い水着の女』・『くちづけ』・『年始客』・『再会』・『雪うさぎ - 少女物語 I 』・『花火 - 少女物語 I I 』・『遠い思い出 - 少女物語 III 』・『花ざかりの夜 - 少女物語 IV 』・『夏の雨』・『旅路』・『ふしぎな話』・『声』の17篇および『短いあとがきにかえて』収録.
 作家デビューの『第三水曜日の情事』,『キスより優しい殺人』に続く3册目のショートショート集.作品の傾向や作風は明らかに変ってきているものの,その切れ味は相変わらず,流石です.
27 天の刻 2001 文春文庫 ★★★★
 『月を見に行く』・『蝋燭亭』・『天の刻』・『襞のまどろみ』・『堕ちていく』・『無心な果実』の6篇収録.解説は篠田節子氏.
 『死』と向かい合った女たちを描いた作品集.『死』というものを身近なモノとして感じるようになったのは,やはり40歳過ぎてからのような気がします(だからあわてて結婚して子供つくった訳じゃないです)が,作者もやはりそうだったのかしらん? 解説の篠田節子さんも書かれている通り,作者が60の声を聴いた時にどんな作品を書くのか,非常に興味のあるところではありますが,反面,何となく予測できるような気もするのです.
28 夜の寝覚め 2002 集英社文庫 ★★★★
 『たんぽぽ』・『旅の続き』・『花の散りぎわ』・『雪の残り香』・『時の轍』・『夜の寝覚め』の6篇収録.解説は吉田修一氏.
 カバーに「人生の残り時間を数えはじめる季節を迎えた6人の女たち.寄る辺なき恋の短編集」とありますが,これって要するに「初老のばーさん6人のおはなし」ってことだよね.... それはともかく, Della にはわからん部分もあるのですが,一部共感できるってことはそれだけの年齢になったってことだよね.... やだな〜.この人もこのまま老成の一途をたどってしまうのでしょうか?
29 一角獣 2003 角川文庫 ★★★★★
 『こんな花あらしの日の午後は』・『月影の中で』・『石榴の木の下』・『雨の朝』・『闇のオンディーヌ』・『一角獣』・『妖かし』・『光きらめく海』の8篇収録.版画は門坂流氏.
 こういう作品集読ませていただくと,この人本当にきれいな文章書く人だな〜って感じます(別に長篇の文章がきたないっていう意味じゃないです).8篇それぞれが珠玉の作品ですが,何と言っても好きなのは,『石榴の木の下』と『一角獣』.別に猫が出てくるからって訳ではないです(笑).
30 雪ひらく 2004 文春文庫 ★★★
 『おき火』・『最後の男』・『仄暗い部屋』・『雪ひらく』・『場所』・『パラサイト』の6篇収録.
 2000年秋から2003年夏にかけて『オール讀物』に発表した短編6本が単行本化されたもの.相変わらず初老を迎えた女たちを主人公にした,「女性の内奥に秘められた官能の炎を描き尽くした全六作」.『官能』っていうとなまめかしくて奥ゆかしいけど,要するに『性欲』だよねって.... この手の小説って,なぜ女性(おばさん)が主人公だと美しくて,男性(オヤジ)だと見にくくて滑稽なんだろう.... 素朴な疑問です.
31 夜は満ちる 2004 新潮文庫 ★★★★★
 『やまざくら』・『縁 えにし』・『坂の上の家』・『夜は満ちる』・『イツカ逢エル……』・『螢の場所』・『康平の背中』の7篇収録.
 こういう恐怖と官能と幻想に満ちた小説書かせたら,もう小池さんの独断場,久々に『小池ワールド』を堪能させていただきました.また,ホラーやミステリいっぱい書いてくれないかな....
32 夏の吐息 2005 講談社文庫 ★★★★
 『秘めごと』・『月の光』・『パロール』・『夏の吐息』・『上海にて』・『春爛漫』の6篇収録.解説は掘茂樹氏.
 作者自身が「この6編を超える作品はもう書けないかもしれない」とのたまう珠玉の短編集らしいですが,確かに「人間の本質的なもの,具体的に言えば愛とエロスと死だけを繰り返して書いている」というだけあって,死とエロスの香りが濃厚な作品集です.個人的には『秘めごと』・『夏の吐息』の2編が好みです.

33 玉虫と十一の掌編小説 2006 新潮文庫 ★★★★★
 『食卓』・『千年烈日』・『一炊の夢』・『声』・『いのち滴る』・『死に水』・『妖かし』・『飼育箱』・『一角獣』・『玉虫』・『さびしい』の11篇収録.解説は野崎歓氏.
 短編より短い『掌編小説』集ですが,どの作品も作者ならではの美しさとセンスに溢れた珠玉の作品集.個人的に好きなのは,甘い話ですが『死に水』と『さびしい』,そしてこの作者ならではの怖さに満ちあふれた『妖かし』と『玉虫』.
34 水底の光 2007 文春文庫 ★★★
 『パレ・ロワイヤルの灯』・『水底の光』・『闇に囁く』・『愛人生活』・『冬の観覧車』・『ミーシャ』の6篇収録.解説は藤田香織氏.
 「失ったものの大きさに喘ぎながら,私はやっぱり,失ったものを書いた」とあとがきで書いている通り.『喪失』と『再生』をテーマにした,『オール読物』に2004〜2006年に掲載された作品を集めた作品集.個人的には『冬の観覧車』・『ミーシャ』の2編が好みです.
35 懐かしい家 -
怪奇幻想傑作選1
2008
2011
角川ホラー文庫 ★★★
 2008年4月に出版芸術社より刊行された作品集『くちづけ』の収録作品を二分冊し,それぞれに新作短編を加えて文庫化したもの.
 『ミミ』,『神かくし』,『首』,『蛇口』,『車影』,『康平の背中』,『くちづけ』,『懐かしい家』の8編を収録.解説は飴村行氏.
36 青い夜の底 -
怪奇幻想傑作選2
2008
2011
角川ホラー文庫 ★★★
 同上.
 『鬼灯』,『生きがい』,『しゅるしゅる』,『足』,『ディオリッシュ』,『災厄の犬』,『親友』,『青い夜の底』の8編を収録.解説は新保博久氏.
37 東京アクアリウム 2010 中公文庫 ★★★★★
 『リリー・マルレーン』・『風』・『二匹の子鬼』・『東京アクアリウム』・『小曲』・『モッキンバードの夜』・『猫別れ』・『父の手,父の声』の8篇収録.
 ミステリー時代から『短編の名手』として名高い作者が,8人の『女』を描いた珠玉の短編集.『おかま』(この呼び方は肯定できませんが)のリリーの哀しみを女の眼を通して描いた『リリー・マルレーン』や,自分の過失がもとでアルコール依存症になってしまった夫との愛憎劇『二匹の小鬼』もいいですが,何と言っても凄いなって思ったのは施設に入居する母との最後の夜を描いた『猫別れ』,でらちゃん久しぶりに小説読んで泣いちゃいました.
38 Kiss 2010 新潮文庫 ★★★★
 『翼』・『歳月』・『白い花のような月』・『猫壺』・『夜噺』・『廃虚』・『青いトマト』・『ラプソディ』・『オンブラ・マイ・フ』の9篇収録.
 『Kiss』をモチーフにしたこの短編集,『女の哀しさ』が見事すぎるくらいに描かれていて,実のところすごく後味の悪い読後感感じてしまいました.
39 ソナチネ 2014 文春文庫 ★★★
 『鍵』・『木陰の家』・『終の伴侶』・『ソナチネ』・『千年萬年』・『交感』・『美代や』の7篇収録.
 『死』と『エロス』をモチーフにした短編集.静かな怖さが堪能できます.解説は千早茜氏.
40 怪談 2014 集英社文庫 ★★★★★
 『岬へ』・『座敷』・『幸福の家』・『同居人』・『カーディガン』・『ぬばたまの』・『還る』の7篇収録.
 作者が本領を発揮したそのものズバリのタイトルの幻想怪奇小説集.特に怖かったのが『カーディガン』でした.解説は東雅夫氏.

41 千日のマリア 2015 講談社文庫 ★★★★
 『過ぎし者の標』・『つづれ織り』・『落花生を食べる女』・『修羅のあとさき』・『常夜』・『テンと月』・『千日のマリア』・『凪の光』の8篇収録.
 よく誰にも言えない罪深い記憶のことを『地獄まで持っていくつもり』などと言いますが,そんな人間として生まれたことが切なくなるようなエピソードが多数収録された短編集ですが,こういう作品を美しい文章で仕上げる作者のセンスに脱帽です.解説は小川洋子氏.
42 異形のものたち 2017 角川ホラー文庫 ★★★★★
 『面』・『森の奥の家』・『日影歯科医院』・『ゾフィーの手袋』・『山荘奇譚』・『緋色の窓』の6篇収録.
 やはりこの方が本領を最大に発揮しているのは,このような幻想怪奇小説集だと思います.特に『日影歯科医院』,こわいよ〜.解説は東雅夫氏.
43 ふしぎな話
小池真理子怪奇譚傑作選
2021 角川ホラー文庫 ★★★★★
 『雲の話』・『死者と生者をつなぐ糸』・『現世と異界―その往復』・『恋慕』・『花車』・『慕情』・『ふしぎな話』の7篇収録.
 編・解説は東雅夫氏.
44 私の居る場所
小池真理子怪奇譚傑作選
2022 角川ホラー文庫 ★★★★★
 『仄暗い廊下の果てに』・『優しい既視感』・『襖の向こう側』・『幸福の家』・『坂の上の家』・『私の居る場所』・『千年烈日』・『妖かし』・『灰色の猫』・『柘榴の木の下』・『一角獣』・『囚われて』・『カーディガン』・『狂おしい精神』・『神が降りた』・『躯たちの静かな気配』の16篇収録.
 編・解説は東雅夫氏.
45 日暮れのあと 2023 文藝春秋 ★★★★★
 『ミソサザイ』・『喪中の客』・『アネモネ』・『夜の庭』・『白い月』・『微笑み』・『日暮れのあと』の7篇収録.