大学在学中の1983年夏。「絵画制作」の夏季の課題は、絵本
づくりでした。誰を主人公に、どんなお話をつくるかが、この時、一番の悩みでした。そんな
なかで土の中に住む、「もぐら」を担ぎ出すことを思いつきました。(実家が農
家だったからかな?) 穴が大好きな、もぐらの「もんくん」ですから、いろいろな穴を求めて探検 させようかと、ストーリーも思いつくままのものでした。そして最後は、おきま りのハッピーエンド・・・。 当時つくった絵本はたった一部で、十数年のうちに、残念ながらどこかに埋 もれてしまったようです。そこで、その当時を思い出しながら、もう一度線画か ら、書き直してみることにしました。ただ、誕生当時の「もんくん」は、トンネ ルを掘る強く大きな手足を持ち、日差しを避けるためにサングラスをかけていた のですが・・・。 歳月の経過とともに、もぐらであった「もんくん」が、もぐらから脱皮し、 一つの人格を持つ「もんくん」として、歩みだしていたのです。 |
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