ニューラルネットワークによる文字認識


 

4章 ニューラルネットワークによる文字認識

4.1 ニューラルネットワークによる方法

 生物の情報処理システムを構成する単位は図4.1のようなニューロン(脳細胞)であり、ニューロンは情報を電気信号として伝える役割を持っている。

 ニューロンからは樹状突起と呼ばれる多数の突起が出ている。また突起のあるものは軸索突起という形で遠くまで長く伸びている。そして他のニューロンの樹状突起のところでシナプス結合という構造を作って結合している。

 電気信号は軸索突起中の神経繊維を通して送られ、シナプス結合において他のニューロンを刺激することになる。刺激を受けたニューロンの反応はシナプスによって異なり、興奮性のシナプスを刺激された場合は頻繁に電気信号を発生する様になり、抑圧性のシナプスを刺激された場合は逆に電気信号の発生を抑える様になる。


 またニューロンにはしきい値という概念があり、興奮性のシナプスから刺激を受けたとしてもしきい値をこえないと電気信号を発生しないという働きがある。


この様なニュローンの働きをモデル化したものが図4.2である。

 このニューロンモデルの働きを式にすると式4−1の様になる。

 まず入力信号には荷重W(ニューロン同士の結びつきの強さ)がかけられる。もし興奮性のシナプスの場合はWは正の数で、抑圧性のシナプスの場合はWは負の数で表現される。


 それらをすべて足したものを、そのニュローンの入力値とする。さらにしきい値の概念を導入するためにしきい値Hを入力値から引く。


 それを式4-1-2の様なシグモイド関数に入れる。この関数は図4.3の様な形をもち、小さな(負の大きな)入力に対して0に近い数が出力され、(正の)大きな入力に対しては1に近い数が出力される。しかし先程Hを引いたことにより、入力がHの前後で出力が0から1に変化することになる。


 このようなニューロンモデルを互いに結び合わせてネットワークにしたものをニューラルネットワークという。


 図4.4は今回利用したニューラルネットワークの構造である。


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