5.3 結果の考察
したがってこの結果より次の様なことが言える。
(4)の場合は、どちらの方法の場合もあまり認識率の差がでなかった。これは学習データが学習者の手書き文字しか使用しなかったため、どちらの方法の場合も、学習者の文字に似ている人の文字は認識率が高いが、学習者の文字に似ていない人の文字は認識率が低いという結果になっている。したがって学習者以外の人の文字を認識させる場合には、学習者以外の人の文字を学習データとして使用するか、統計的手法によって複数の人の文字でも良く合うパターンを作成し、これを学習データとして使用しなければならないと考えられる。 この結果より、二つの方法の利点、欠点を考えてみると、以下の様になる。 T.パターンマッチングによる方法 (利)取り得るすべての学習パターンを用意できれば、認識率を100%にできる。
U.ニューラルネットワークによる方法 (利)学習パターンを増やせば認識率が上がる。また認識速度も学習前と変わらない。 どのようなパターンを学習させるかを人間が考える必要はなく、色々な文字を認識させてみて、誤認した文字を学習データとして使い、学習させれば良い。 (欠)認識率を100%にするのは難しい。 したがって認識率で考えた場合、学習させるデータと同じ様な文字を認識させる場合は、どちらの方法でも実用化は可能であると思われる。しかし、認識速度が問題となる場合や、書体の変化した文字などを認識させる場合はニューラルネットワークによる方法の方が良いと考えられる。 |
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