NOGの部屋 〜読書の趣味〜

 

ブギーポップは笑わない (小説/電撃文庫)
 ブギーポップは死神だ。
 黒いマントと筒のような帽子を被ったこの人物は、その人が一番美しいとき、醜く老いさばらえる寸前に殺すのだという。 
 作中にて、女子高生達の間でのみ広まっている噂話がこれです。
 しかしてその実態は、『世界の敵』に反応して自動的に浮かんでくる存在だといいます。
 この一文だけでは恐らく何のことかチンプンカンプンでしょうが、事実そうなのだから仕方がありません。
 ですが、あえて詳しくは語らないでおきましょう(語るコーナーなのに)。
 多少なりとも興味を持たれたなら、是非とも読んでもらいたい作品だからです。
 さてこの作品は、第4回ゲーム小説大賞<大賞>受賞という見事なスタートを切ったシリーズ物で、アニメや漫画といったメディア展開をした作品でもあります。
 作者、上遠野浩平の作品は難解です。
 ブギーポップシリーズは現在10冊刊行されていますが、そのどれもが複雑な時間軸を持ち、微妙にリンクしているところがあります。例えば、3巻目で死んだ怪人が7巻に登場したり、8巻が3巻の直後の話であるといった具合にです。
 複雑な内容で、決して万人に薦められる訳ではないのですが、この作品には魅力的なモノがたくさんつまっていることは確かでしょう。
 登場人物、背景設定、ストーリー。これらすべてが日常的であり非日常的なのです。
 作中でも普通と特別の違いのようなものが強調されているフシがあります。
 また、作中の所々に挿入される霧間誠一氏の一文(氏の著作よりの抜粋)が物語を一層盛り上げるのに一役買っています。(ちなみに霧間誠一とは、作中に登場する人物の亡き父親です)
 NOGはこの作品が、とっても好きです。
 このページを見ている全ての方に、是非とも読んで頂けたらと思います。
 拙い文ではありましたが、興味を持たれたら幸いです。
 実際に読まれた方がいらっしゃったら、語り合いましょう。その際は、当ページの掲示板にて。

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