花見の名所めぐり

日本は山紫水明の国。人々は花を愛し、いたるところにきれいな
花が咲いています。毎日、1万歩の目標の散策を続けていますと、
ふとした民家の庭に妙なるバラが咲き誇っているのに出くわした
りします。自分が住んでいる東京のコンクリートだらけの街路に
もいままで気がつかなかった風情ある草木を発見して、「まあな
んときれいな花だね」と家内と感嘆することもしばしばです。
「東京砂漠」などと歌われる東京にも、いや江戸時代の都江戸だ
からこそ、その規模から言っても誇るべき花見の名所や神社仏閣
があるものです。このコーナーは、そんなところを東京に限らず私
のホームページのビジターにお伝えしたいと思ってオープンしまし
た。 
(撮影:栗田昭平) The copyright reserved.


板橋区には練馬区から石神井川(しゃくじいがわ)が流れてきて北区を経て、墨田川へと注いでいます。写真は東武鉄道中板橋駅から5分の石神井川の桜の開花時期の風景です。40数年前に利根川が氾濫し、ここまで水が押し寄せたので護岸工事でこのような姿になって終いました。2004年はたまたま川底の工事のため水は見えません。文字通り「花の雲・・・」と歌いたい見事な桜並木は、延々7キロ、王子駅まで続いています。この写真は、まだ六部咲きです。


墨田川のほとり墨田公園に繰り出した花見客がたのしそうです。川が大分きれいになりました。すぐそばは浅草で、浅草寺はいつも賑わっています。

根津神社の祭神は日本武尊です。東京は
地下鉄大江戸線根津駅下車
10分のところにあり、つつじの名所として知られます。


東京はJRの千葉行きに乗り、錦糸町で下車すると、すぐ近くが錦糸町公園で、ここも桜の名所です。この公園からさらに南へ歩を進めると、菅原道真を祭った亀戸天神があります。ここは藤の名所で、4月下旬から5月初めにかけて花見客でいっぱいになります。


西武秩父駅から約30分歩いたところに武甲山を背にした羊山公園があり、その一角に目もまばゆいばかりの芝桜が5月初めの野を一面に染めています


寒い冬から漸く抜け出て1年で最も強い紫外線を浴びながら人々はしばしうっとりとピンクと赤紫と白色の芝桜を眺めているのです。


6月初旬の北海道は、つつじ、紫陽花、バラライカ、
はまなす、藤、はなみずきなど、春の花が同時に一斉に開花して、それはそれは見事です。札幌に保存されている旧北海道庁正面では、最近観光客へのサービスとして始めた騎馬姿のスナップ写真を撮る人々が大喜びでシャッターをきっていました。
赤レンガ造りの旧北海道庁の前庭には真っ赤に燃える
どうだんつつじと、色とりどりのパンジーが咲いています。
カラッとした大陸性気候は、私のように1930年代半ばか
ら1940年代半ばにかけての少年時代を大連、新京(いま
の長春、吉林ですごしてきた者にとっては心地よいもので
した。
はまなすは、北国の海辺に自生する野草です。「野生のバラの一種で、香の良い大型の美しい花を咲かせます。赤い実は食べられます。」と、道庁に近い広大な「北海道大学植物園」のプレートには書いてあります。
なんとも妙なるやまつつじが「赤レンガとともに映えていました。
北海道大学植物園の入場料は、400円。開園日は、4月29日〜9月30日(毎週月曜日は休園日)です。巨木のハルニレ林、自然林、潅木園、ライラック並木、樹木園、バラ園、サクラ林、針葉樹林、幽庭湖を含む広大な敷地を誇っています。写真は、水際のあやめ。
鬼げしの花が満開。


北海道大学植物園のライラック並木を散策しますと、実にいろいろな種類のライラックがあることに驚きます。
「黄金色の藤の花」と形容される「金ぐさり」です。原産地はアフリカ大陸ですが、ヨーロッパ人が故国に持ち帰って欧州大陸でも見られるようになりました。
ツボサンゴ(別名ホイヘラ・ヒューケラ)というユキノシタ科の可憐な花です。春先に長く茎を伸ばし、鈴のように可憐な花をさかせます。


三島市楽寿園の小浜池から流れ出る富士山からの湧水の源兵衛川では、6月になると源氏ぼたるが飛び交います。6月中旬から7月にかけては紫陽花がこぼれるように咲き競います。


後楽園といえば遊園地を思い浮かべるでしょうが、実は水戸藩の江戸邸の庭園で初代頼房が着工し、、2代目水戸光圀が完成しました。今は都が管理する「小石川後楽園」で、晩秋の紅葉は
真っ赤に木々を染めます
入園料は一般300円、65歳以上150円。
春夏秋冬季節の花を観賞することがで
きます。
私が2004年12月中旬に訪れたときは、
寒桜が、優雅な花をほころばせていました。



熱海駅から伊東線で一駅行った
来宮で下車して徒歩約20分のと
ころに熱海梅園があります。入園
料は無料。園内には、白梅、紅梅、
桃色梅が交互に咲き誇り、大勢の
花見客で賑わっています。
梅の花は、観賞期間が長く、2月中旬から3月初旬まで、その可憐で上品な花をめでることができます。「東風(こち)吹かば 匂い起こせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」と討ち死にを覚悟した楠正行(まさつら)が出陣を前に詠んだ短歌はあまりにも有名です。
園内には、「あの町この町」「雨降りお月」「シャボン玉」など多数の童謡の作曲で大正昭和初期に大きな足跡を残した中山晋平の旧居宅が移築されています。
園の最上部には、韓国の金大中大統領が来日したとき、ここで時の森首相と会談したのを記念し、学者の居宅という設定で、清楚な韓国庭園が造営され、公開されています。


1月末に小江戸川越を訪れたとき、通りがかりにフと寒桜を見つけました。同じく川越の観音寺境内の稚児観音の前に咲いていた寒桜の接写。

2005年2月16日


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